フリーランスエージェントは、案件紹介から条件交渉、契約手続きまでを全面サポートしてくれるので、案件獲得に慣れないうちは使いましょう。ただ、案件単価や各種制度がバラバラなので、比較することが重要です。
そこでこの記事では、上場企業管理職の筆者が「フリーランス向けエージェントの選び方とおすすめ」を、自身の利用経験と徹底調査をもとに解説します。
フリーランスエージェントおすすめ
エージェントによって得意不得意は分かれるので、下記のように、探している案件の条件(最低稼働数や職種)によって選択するようにしてください。
悩んだら大手のギークスジョブに相談してみてください。最初に担当営業の方がヒアリングと情報提供を行ってくれるので「フリーランスという働き方そのもの」から知ることができます。
フルタイム(週4~5稼働)案件を探すなら
フルタイム(週4~5)でガッツリ稼ぎたいフリーランス向けエージェントを紹介します。多くは東京に寄っていますが、リモート案件が多いのでどこからでも利用できますよ。
サービス名 | 職種 | 公開求人数 | コメント |
ギークスジョブ | エン ジニア |
約2,500件 ※非公開求人は不明 |
リモート案件80%で平均年収821万 15年以上の実績があり、取引社数も3,300と多い |
レバテックフリーランス | IT職種 全般 |
約2,400件 ※非公開求人は不明 |
フルタイムでガッツリ働きたい人向け 圧倒的求人数と充実な福利厚生の大手サービス |
フォスターフリーランス | エン ジニア |
約2,200件 ※非公開求人は不明 |
高収入を狙いたいITエンジニア向け 1996年創業で業界25年以上の実績あり |
単発の案件も一部はありますが、ほとんどが週5×半年以上の案件なので「報酬が高い派遣社員」のようなイメージで稼働することとなりますね。
また、「リモート案件」もあれば(例えばレバテックフリーランスなら全体の1/3がリモート可能)、収入が高くなりやすい「常駐案件」も豊富に保有しているので、希望に応じて選ぶようにしましょう。
ちなみに、レバテックフリーランスは、IT職種全般の案件(例:WEBコンサルや広告運用案件)も保有しているので、エンジニア以外の方も気軽に相談してみてくださいね。
筆者も以前利用したことがありますが、説明と質問応対メインで進み、案件への応募を急かされることは全くなく、とても充実した面談となった記憶があります。
副業・複業(週1~3稼働)案件を探すなら
週1~3稼働の副業案件を探したいフリーランス向けエージェントを紹介します。人気が高い副業案件は新着案件にすぐ応募できる体制にすることが重要です。
サービス名 | 職種 | ~週3の公開求人 | コメント |
ITプロパートナーズ | IT職種 全般 |
約2,500件 ※非公開求人は不明 |
平日夜や土日のみの絞り込みも可能 リモート案件が約半分以上で、副業に最適 |
workship | 全職種 | 約1,000件 ※非公開求人は不明 |
案件成約で1万円のお祝い金あり 専用アプリで出先の連絡が取りやすい |
シュウマツワーカー | IT職種 全般 |
約200件 ※非公開求人は不明 |
隙間時間で働ける求人(~週10時間)が多い 案件の99%がリモート案件で副業探しに便利 |
IT関連職種(エンジニアやデザイナー、WEBマーケ)であれば、まずはITプロパートナーズをおすすめします。週1日案件から平日夜、土日だけの案件も保有しているので、本業や他案件の稼働状況に合わせやすいですね。
また、Workshipはプラットフォームとしての機能もあるので、自身で探して応募することが可能です。幅広い職種(人事や経理等)の副業案件を保有しているので、IT系職種以外の方も、ぜひ探してみてください。
週1リモート案件は非常に人気が高く、すぐに応募枠が埋まってしまうので、いくつか登録をして新着案件がで次第すぐに応募できるようにしておきましょう!
案件探しに便利なクラウドソーシングサイト
自身の実績やポートフォリオをPRしたうえ案件を獲得したい方におすすめのクラウドソーシングサービスを紹介します。業務レベルや稼働数もクライアントごとでバラバラで、フリーランス慣れしている方におすすめです。
サービス名 | 総合評価 | コメント |
ランサーズ | ★★★★★ 5/5 |
保守運用やビジネス系の依頼が多め ランク制度があり、実績を積む感覚がある |
クラウドワークス | ★★★★☆ 4/5 |
登録人数No.1で案件数も多い 主婦や若年層向けの作業系依頼が多い印象 |
ココナラ | ★★★★☆ 4/5 |
日本最大級のスキルシェアマーケット デキる仕事が明確ならここでプランを出そう |
クラウドワークスとランサーズは、昔からあるクラウドソーシングサイトですね。実績がないうちは案件獲得に工数を割かれますが、実績を積めば、スカウトがどんどん来るようになり、単価も上げやすくなります。
また、規約違反なので非推奨ですが、業務上のやり取りを別連絡ツール(チャットワークやSlackなど)に移行したあとに、直接契約の相談がなされる場合があり、中間手数料をなくせることから報酬を上げやすい傾向にあります。
3つ目のココナラは、スキルを持ったフリーランスがプラン(例:似顔絵作成を5,000円でします等)を作成し、依頼主側が申し込む形式です。得意なことが明確な方にはおすすめです。
フリーランス向けエージェントの選び方
フリーランス向けエージェントは世の中にたくさんありますが、本質的にはどこも同じで、良質な求人を紹介してくれるかが重要の差です。下記の点で選びましょう。
- 希望条件の新着求人件数(一番重要!!)
- 担当者に最低限のリテラシー・マナーがある
- エージェント面談で報酬がもらえるサイトを経由
反対に、サポートの充実性や、福利厚生はほとんど意味がありません。あえて意識しなくても大丈夫です。
- サポートは重視しなくていい
- 福利厚生や優待サービスはほぼ広告
- 仲介手数料は気にしても無駄
では順番に解説していきます。
エージェント選びで重要なポイント
エージェント選びで重要なのは「いかに良い条件の求人を見つけやすいか」を左右する「求人件数の豊富さ」、そして担当者の「最低限の専門性・対応力」になります。
重要①求人件数の豊富さ
良い条件の案件を獲得するためには「あなたの希望条件に合った求人がたくさんあること」が一番重要です。
多くのエージェントはIT系職種を網羅的に取り扱っていますが、ものによっては一部職種の取り扱いが少ないケースがあるので注意してください。
例えばエンジニアなら、以下の項目は事前に決めてから、保有案件の数を比較するようにしましょう。
- 職種(インフラ、フロント、アプリetc)
- 言語(Java,PHP,Python,Go,etc)
- 希望勤務日数(週1~5)
- 出社可否(出社なら都道府県)
- 希望単価(月額◯◯万円〜)
また、こだわりがあれば、業界や事業規模、チーム体制(年齢含む)、等も含めてあらかじめ整理しておきましょう。こういった希望条件をエージェントに伝えたうえで、一番理想的な条件の案件を持ってきたところと契約するのがベストです。
重要②担当者に最低限のリテラシー・マナーがある
ないものを紹介はできないのでエージェント自体の保有求人が一番重要ですが、あなたに仕事を紹介する担当者がポンコツでは意味がありません。
やや極論ですが、職業斡旋の仕事は誰でもできます。求職者の話をニコニコ聞いて、希望条件をシステムに打ち込んで、出てきた求人を紹介すれば最低限はクリアされるので、高い専門性を求めない会社も多いです。(組織によりますね。もちろん優秀な人も多いですよ。)
そのため、他の営業職だと採用されなかったような、マナーもリテラシーもないどうしようもない人材が頻繁に紛れ込んでいる場合があります。そういったところは口コミが荒れているので、事前にチェックしてください。
重要③エージェント面談で報酬がもらえるサイトを経由
小ネタですが、実はエージェントにそのまま登録するより「エンジニアスタイル」を挟んでから登録した方が、Amazonギフト券がもらえるので少しだけお得です。
実際、10社のエージェントと面談をすれば10万円もらえるのはかなりお得です。(10社の場合は、面談1社あたり1万円になるので、1時間の面談なら時給1万円ですね。)
下記に、キャンペーン概要を引用します。求人応募や経歴書の送付が必要なく、「登録エージェントとの面談」でもらえるので、条件がかなりゆるい印象です。
■キャンペーン概要
以下の全ての条件を満了されたフリーランスの方を対象に、エンジニアスタイルから3,000円のAmazonギフト券を贈呈させて頂きます。対象となるケース
・応募した案件のエージェントと初めて面談を実施した場合対象とならないケース
・応募した案件のエージェントと既に面談済みだった場合その他注意事項:
・申請は、マイページ(https://engineer-style.jp/mypage)の『仕事探し状況 > 応募済み案件』から実施可能です。
・申請は、必ず“面談実施後”に実施してください。面談実施前にギフト申請をした場合は、キャンペーン対象外となります。
・既に面談を実施した事のあるエージェントの案件の場合、ギフト申請ボタンが押せなくなっています。
・ギフトの贈呈は、申請日から40日以内を目安に実施させて頂きます。
・申請期限は応募から1ヶ月以内とさせて頂きます。
引用:エンジニアスタイル公式
レバテックフリーランスやITプロパートナーズをはじめとして、207件(※2023年7月5日時点)のフリーランスエージェントが利用しているので、ぜひ見てみてください。
※東京メイン(リモートあり)
エージェント選びで不要なポイント
求人数以外で差別化がしにくい業態なので、エージェントは「丁寧なサポート」「充実な福利厚生」といった謳い文句を掲げていますが、どちらも不要です。
不要①サポートは重視しなくていい
面接サポートは不要です。フリーランスの案件獲得は、就活や転職活動と違って、スキルと報酬の等価交換でほぼ決まります。ポテンシャルや人柄ではありません。
正社員だと2~3回は面接するのでテクニックが必要ですが、業務委託は1回の打ち合わせで契約可否が決まります。企業側目線でも「契約してみて使えなかったら終了にすれば良い」ので、気軽に解雇できない正社員ほど厳しく選考しません。
なにより無駄な選考対策に時間を使うエージェントは、その分人件費がかかるので、マージンが高くなります。そこに人件費を割くくらいなら本当に不要です。
不要②福利厚生や優待サービスも不要(ほぼ広告)
福利厚生や優待サービスは「広告兼クーポン」です。だいたいはエージェント側が「広告費用(数ある商品から“御社の商品”を紹介する費用)」をもらっています。
また、「税理士相談無料」も同様です。初回の相談が無料ではない税理士なんてそもそもいません。初回相談から「月額◯◯円の契約」に誘導されるだけです。裏では「フリーランスの方々を御社に紹介するから報酬を…」という契約がされています。こちらも広告です。
不要③仲介手数料は気にしても無駄
仲介手数料は気にしても無駄です。
一般的な相場だと25%前後に収まることが多いですが、マージン金額を公開しているエージェントはほとんどいません。そもそも、クライアントや案件によって中抜き金額を変えているので、重要なのは案件単価です。
反対にマージンが低くても二次受け、三次受けだと、その分フリーランスの報酬金額は低くなるので意味がありません。重要なのは「あなたが受け取る報酬額」です。
よくある質問と回答
最後に、よくある質問をFAQ形式で整理しました。少しでもお役に立てれば幸いです。
それぞれ簡単に見ていきましょう。
Q. フリーランスエージェントとは
フリーランスエージェントとは、仕事を依頼したい企業と、仕事が欲しいフリーランスをマッチングさせるサービスのことです。担当者が間に入り、双方にとって最適な組み合わせを目指します。エージェントがしてくれること | |
フリーランス側に | 企業側に |
・非公開、新着求人の紹介 ・企業側への推薦 ・選考対策(書類、面接) ・給与交渉、契約書手続き | ・人材の紹介 ・求人票作成、改善提案 ・フリーランス側へのプッシュ ・各種調整 |
Q. フリーランスエージェントの仕組み、ビジネスモデル
フリーランスエージェントは、企業側にフリーランスを紹介することで、採用となった場合に仲介手数料を受け取るビジネスをしている「人材紹介事業所」のことです。 エージェントにとってのクライアントはあくまで採用企業です。フリーランスは無料で使うことができますが、信用しすぎないように注意してください。Q. フリーランスエージェントのマージン(仲介手数料)率は?
一般的な相場は、毎月の契約金額の20~25%前後です。ただ、マージン率は一律に決まっておらず、案件によって異なるうえに開示もされません。完全にブラックボックスです。 さらに、仮にマージン率が高くても、クライアント側から高い金額をもらっていれば、あなたに支払われる案件単価は高くなります。重要なのは、案件単価です。マージン率を気にしてもあまり意味がありません。Q. フリーランスエージェントのメリット
応募できる求人の幅がグッと広がる(1/3)
エージェント利用の1番のメリットは、単純に応募できる求人の幅がグッと広がることです。実際、求人サイトよりも、エージェントで人員募集する企業の方が多い傾向にあります。 なぜなら、自分で応募するタイプの求人サイトだと、企業側で求人募集ページを運用する必要があったり、掲載課金型でピンポイントの人員補充に使いにくかったりするからです。あと稀に、ほぼ素人のフリーランスもいるので、エージェント側で一定スキルを見極めてくれるのも安心できます。仕事の受注が安定する(2/3)
エージェントが案件獲得に動いてくれるので、仕事の受注が安定します。それこそ急ぎである旨を伝えれば、応募が少ない求人や採用されやすい案件を選んでくれ、企業側にも猛プッシュしてくれます。 フリーランスにとって、仕事がない期間が生じてしまうと経済的な損失になるので、安定して仕事を紹介してくれるエージェントの存在は大きなメリットです。営業や交渉、契約トラブルに時間を取られない(3/3)
フリーランスの案件獲得や面接、交渉といった営業業務をすべてエージェント担当者が代行してくれるので、本業に集中できるというのも一つのメリットです。 特に、求人サイト経由で案件開拓した場合だと、クライアントによっては、下記のような問題が生じるケースがあります。- 要件が定まっておらず、初回相談が長引く
- 単価が相場と比較して低すぎる、追加依頼が多い
- 報酬が支払われない、遅延する等の契約トラブル
Q. フリーランスエージェントのデメリット
直接契約より報酬が少なくなる(1/3)
エージェント経由での契約となると、仲介手数料(報酬の2割ほど)が発生するので、直接契約しているフリーランスと比べて報酬が少なくなります。 企業側目線で、フリーランス報酬は、事業部ごとに割り振られた外注予算から捻出することになりますが、雇用関係にないフリーランス相手には“同一労働同一賃金”の考え方も適応されません。クライアントと柔軟な交渉がしにくい(2/3)
エージェントを通した契約になるので、お互いに、その月の稼働状況や事業状況に応じて、柔軟に業務内容や報酬金額を相談する交渉ができません。 それこそ直接の業務委託契約を締結してしまえば「仕事内容は個別相談」「見積書で金額を指定」といった契約にできるので、柔軟に仕事の相談ができます。何もしないのに中間搾取され続けるストレス(3/3)
契約して1~2年も経つと「なにもしないエージェントにずっと中間搾取され続けていること」に違和感、ストレスを感じる場合もあります。 実際エージェントは、案件獲得までは積極的に動いてくれるのですが、契約をしたあとはほとんど動きません。(動いたところで利益が増えないので。)Q. フリーランスエージェント利用の流れ
フリーランスエージェントの利用の流れを簡単に説明します。- WEB登録(2~3分) 職務経歴書や希望条件の回答
- 初回面談(30~60分) スキルや希望条件の確認、働き方の説明など
- 案件紹介(継続して定期的に) 非公開案件や新着案件を紹介してくれる
- 企業担当と面接(30~60分) 応募したら書類選考、面接などがあります
- 条件交渉、契約締結 担当が書類手続きや報酬交渉もしてくれる
→ギークスジョブ、レバテック
→ITプロパートナーズ、workship