転職エージェントの選び方と見極め方|大手企業部長が経験をもとに解説

転職エージェントの選び方は「複数の転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーの質を見極める」とシンプルです。具体的な手順は以下の通りです。

手順1. 求人豊富な大手転職エージェントに登録
手順2. あなたの属性と志望業界に強い特化型転職エージェントを選ぶ
手順3. 複数併用しながらキャリアアドバイザーを見極める

ここから順番に説明していきますが、各工程での転職エージェントやキャリアアドバイザーの比較ポイントも紹介しているのでぜひ参考にしてください。

なお当記事は、元転職エージェントで、かつ東証プライム上場企業の管理職として中途採用もしている筆者が、その経験をもとに執筆したものです。

手順1. 求人豊富な大手転職エージェントに登録

前提として転職エージェントは「大手総合型」と「特化型」に分けられます(違いは後述)が、まずは全国規模で求人を豊富に扱っている大手総合型に登録するようにしましょう。以下の表に、大手転職エージェントの求人数を年収別で整理しました。

総求人数 400万円~ 700万円~ 1,000万円~
リクルートエージェント 153,830 131,718 88,826 14,122
dodaエージェント 117,876 115,374 83,734 19,826
ワークポート 49,164 36,471 17,234 2,352
パソナキャリア 38,876 33,003 19,111 5,807
マイナビエージェント 33,583 32,014 19,013 6,155

※2022年1月13日時点の公開求人数
※右にスクロールできます。

上記からわかるように、どの年収帯でも求人数の多い上位2社(リクルートエージェント、dodaエージェント)は登録しておくと良いでしょう。

大手総合型だけでなく「特化型」も利用して

転職エージェントには、求人数が豊富な「大手総合型」と、特定領域の専門性が高い「特化型」の2種類ありますが、それぞれ一長一短なので併用するようにしましょう。

以下に、強み(◯)と弱み(×)を整理しました。

大手総合型 特化型
◯どの領域でも求人数が多い
◯希望業種以外の提案もしてもらえやすい
◯特化領域の転職に強い
◯書類添削や面接対策の面倒見が良い
×領域によっては専門知識に弱い
×大手だとサポートはやや淡白かも
×だいたい中小規模で、求人数は多くない
×手持ちの求人を押し付けられる可能性がある

「特化型」には、業界や年代・年収など、多様な軸に特化した転職エージェントが存在しているので、次章で紹介するように、あなたの状況に応じていくつか選ぶことをおすすめします。

手順2. あなたの属性と志望業界に強い特化型転職エージェントを選ぶ

手順1で大手転職エージェントに登録できたら、次は、あなたの「属性」と「志望業界」にあった特化型転職エージェントに登録するようにしましょう。

まずは特殊な「属性」に該当しないかを確認して

転職をする方の中でも特殊な属性に該当する方は、専門の転職エージェントを選ぶようにしてください。一般的な状況と転職活動のポイントが違うので、専用の対策が必要です。

上記以外の方は、次に紹介するような業界特化型の転職エージェントに登録しましょう。

志望業界に特化した転職エージェントを選ぼう

志望業界が決まっている方は、業界特化型の転職エージェントにも登録しておきましょう。業界の出身者がキャリアアドバイザーとして在籍しているので、情報収集や選考対策に役立ちます。

業界特化型エージェントは以下のように選びましょう。

業界特化型エージェントの選び方
  • 特化領域
    あなたの志望業界に特化しているか
  • サポート内容
    求人紹介だけでなく選考対策までしてくれるか
  • 取り扱い求人件数
    どれくらいの求人を保有しているのか
  • プライバシーマーク
    個人情報を適切に取り扱っている証明があるか

注意!情報漏洩を避けるためにもプライバシーマークは確認して

転職エージェントを利用すると、名前や住所といった個人情報を共有して相談することになるので、プライバシーマーク(個人情報を適切に取り扱っている証明)の有無を確認しましょう。

特に、小規模な転職エージェントだと、大手と違ってプライバシーマークを取得していない(かつ情報の管理体制が怪しい)ケースが多いので注意が必要です。

ちなみに、個人情報の取扱がしっかりしている会社だと、初回面談のときに「個人情報の取扱同意書・誓約書」へのサインを求められるケースが多いので、見極めるポイントにしてください。

手順3. 複数併用しながらキャリアアドバイザーを見極めよう

転職エージェントに登録した後の流れは以下の通りですが、その過程でキャリアアドバイザーの質を見極め、登録から2週間程を目安として2~3社に絞りましょう。

転職エージェント登録後の流れ

⑴ 電話やメールで日程調整のやりとり
⑵ 担当キャリアアドバイザーとの面談
⑶ 後日、求人紹介 (※⑵でも一部紹介されます)

特に、初めての転職である場合、キャリアアドバイザーの質によって転職成功確率が変わるので、本当に信頼できる人物かどうかを見極めなくてはなりません。以下のポイントを見た上で厳しめに判断をしてください。

質の高いキャリアアドバイザー

・あなた目線で提案をしてくれる
・志望する業種の転職事情に詳しい
・初回面談で希望を深掘りしてくれる
・応募企業のネガティブな側面も教えてくれる
・キャリア相談や面接対策に時間をかけてくれる

質の低いキャリアアドバイザー

・礼節に欠ける態度(高圧的、傾聴しない)
・業種、仕事内容に対して知識が浅い
・初回面談で表面的なことしか聞かない
・内定が出やすい求人ばかり紹介してくる
・大量の求人を説明なくひたすら送りつける

以上のポイントで転職エージェントを見極めましょう。さらに、あなたとの相性も含めて当たり外れがあるので、最初から一人に絞らず、複数のアドバイザーと面談をしてみることをおすすめします