「将来の夢がない、、、」
「どうやって見つければいいのだろう」
と悩みますよね。私も「将来の夢はなんですか?」と聞かれるたびに違和感を感じ、なんて答えるのが正解なんだろう、と考えを巡らせたものです。
そもそも、将来の夢がなくても無理に作る必要はありません。少なくとも”夢はあるべき”という固定観念に屈して自分自身を騙すのはやめてください。
漫画やアニメでも「夢や目標に向かって頑張り続けること」が美談として語られるケースが多く、小さい頃から「将来の夢は?」と、まるで夢があることが当たり前かのような教育が行われているので勘違いされやすいのですが、夢は必要ありません。
当ページでは、将来の夢が必要ない理由と、将来の夢を問われるであろう状況別に「どう対処すべきか」を解説していきます。
将来の夢がないことを恥じる必要はない
「将来の夢」がないことを恥じる必要はありません。それが普通だからです。本気で叶えたい夢がある人間は5%もいないでしょう。
- 幸せになりたい
- 今よりいい生活をしたい
- 死ぬ時に後悔がないようにしたい
- 結婚して幸せな家庭を作ってみたい
みんなこれくらいの漠然とした将来像です。ほとんどの人間は、なんとなく日々を生きて、小さな幸せを味わいながら歳を取り、たいした偉業も成さずに人生を終えるのです。
心にもない夢を掲げて自分を騙す方が恥ずかしい
夢が必要だと勘違いしているせいで、就活や転職活動になった途端、急に「貧困をなくしたい」「◯◯で人々を幸せにしたい」と、心にもない夢を掲げる現象が起きます。
しかし、本気で考えていないので、夢が叶うまでの道筋を具体的に言語化することができず「どうしたら理想が実現するのか」「自分の人生をどう使うのか」が曖昧のままなのです。
むしろ恥ずべきは、本心で納得していないのに、”夢はあるべき”という固定観念に屈し、自分自身を騙してしまうことだと思います。
そもそも夢を維持することは難しい
そもそも夢を持ち続けられるのは、ほんの一握りの「才能ある人」だけです。どんなに努力を重ねても届きそうにない目標に、向かい続ける人はいません。

興味の対象を成し遂げるまでのプロセスが、自分の能力やスキルに合致していないと、不安や挫折、あるいは退屈さを感じて、自然とやめてしまうのです。
- 医者になりたいけど、勉強が苦手
- スポーツ選手になりたいけど、運動音痴
たいていの人は「やりたい!」と憧れはありつつも、自分の能力に限界を感じ、小さな挫折を繰り返し諦めていきます。それが大人になるということです。
あなたに将来の夢がないのは経験不足
あなたにいま、将来の夢がない理由は単純に「経験不足」です。本当の夢は、可能性の芽が閉じて収束していく段階でしか見つかりません。
様々な物事と出会い、「合う合わない、できるできない」といった試行錯誤を繰り返し、自分にはこれがピッタリだ(これしかない)と思えるようなことと出会ってからでないと、本当にやりたいと思えるものは見つかりません。
反対に、小学生が夢を掲げられるのは「無知で知能が低いから」です。自分に今後どのような選択肢があるのかを知らず、「いま見えている世界がこの世の全てだ」と信じているからこそ、自信満々に夢を語れるのです。
実際、ほとんどの小学生は現実を知らないので、夢を聞かれると「職業」を答えます。しかし、おそらく幸せになるために「働くこと」が必要な大人はほとんどいないでしょう。
変化の激しい現代では”今をどう生きるか”が重要
数千年前と違い、変化が激しい現代においては、いま見えている世界から「将来のこと」を決めつけてしまうのではなく「今を全力で生きること」の方がずっと重要です。
予測できない未来を深く考えても仕方がない
そもそも未来のことは予測できないので数年先まで考えても仕方ありません。なにより「専門家の予想ですらほとんど外れている」という残酷な統計があります。
実際、心理学者フィリップ・テトロックの調査では、1980年~2000年でされた専門家の予測(3万件近く)はほとんどが外れていました。
さらに2011~2015年の追加調査でも、予測が当たるのは1年先が限界で、5年先になると全く当たらないとされています。(出典:21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 (草思社))
このように、専門家ですら未来の予測精度が当てずっぽうレベルということを踏まえると、一般人である我々が、遠い未来を思い描いても意味がないのです。
全力で生きた”今”の積み重ねは必ず実を結ぶ
有名なキャリア理論「計画された偶発性理論」においても、個人のキャリアの8割は偶発的な出来事で決まるとされています。過去に決めた”夢”ではありません。
そしてキャリアを良い方向に導く出来事は、5つの行動特性(好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心)で呼び込めるとされています。たとえ現時点で夢や目標がなくても”今を集中して生きる”ことで、いつか遠くない未来で意味を成すことが説かれているのです。
Connecting the dots(点と点は繋がる)
スタンフォード大学の卒業式スピーチにて、スティーブ・ジョブズが取り扱った有名な話に「Connecting the dots(点と点は繋がる)」があるので紹介しておきます。
Connecting the dotsとは、過去の経験が、未来のどこかで、その当時は思いもよらなかったことに繋がっている状況を指しています。
Text of Steve Jobs’ Commencement address (2005) |STANFORD UNIVERSITY
自分の興味の赴くままに潜り込んだ講義で得た知識は、のちにかけがえがないものになりました。たとえば、リード大では当時、全米でおそらくもっとも優れたカリグラフの講義を受けることができました。キャンパス中に貼られているポスターや棚のラベルは手書きの美しいカリグラフで彩られていたのです。
退学を決めて必須の授業を受ける必要がなくなったので、カリグラフの講義で学ぼうと思えたのです。ひげ飾り文字を学び、文字を組み合わせた場合のスペースのあけ方も勉強しました。何がカリグラフを美しく見せる秘訣なのか会得しました。科学ではとらえきれない伝統的で芸術的な文字の世界のとりこになったのです。
もちろん当時は、これがいずれ何かの役に立つとは考えもしなかった。ところが10年後、最初のマッキントッシュを設計していたとき、カリグラフの知識が急によみがえってきたのです。そして、その知識をすべて、マックに注ぎ込みました。美しいフォントを持つ最初のコンピューターの誕生です。
もし大学であの講義がなかったら、マックには多様なフォントや字間調整機能も入っていなかったでしょう。ウィンドウズはマックをコピーしただけなので、パソコンにこうした機能が盛り込まれることもなかったでしょう。もし私が退学を決心していなかったら、あのカリグラフの講義に潜り込むことはなかったし、パソコンが現在のようなすばらしいフォントを備えることもなかった。
もちろん、当時は先々のために点と点をつなげる意識などありませんでした。しかし、いまふり返ると、将来役立つことを大学でしっかり学んでいたわけです。
繰り返しですが、将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。
だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。運命、カルマ…、何にせよ我々は何かを信じないとやっていけないのです。私はこのやり方で後悔したことはありません。むしろ、今になって大きな差をもたらしてくれたと思います。
ここからわかるように、今を全力で生きているからこそ、次に活かせる学びに繋がりますし、過去の点と点を繋げて、一つの線を作ることができるのです。そのため、無理に大きな目標を作ろうとせず、今やりたいことに全力を注いでください。
困ったら”幸せになること”が夢だと言えばOK
もし、あなたが授業の発表や進路指導などで何て答えれば良いか迷ったら、下記のように答えましょう。どちらも人間誰しもが感じる欲求なので間違いではありません。
- 幸せになること
- 死ぬときに後悔しないようにすること
上記に伴って「自分にとって幸せってなんだろう」「死ぬときにどういった後悔をしたくないだろう」と考えると、少なからず自分が大切にしたい価値観が見えてきます。
将来の夢ではなく、今”夢中”になれることを探そう
夢や大きい目標を持つことが美徳と盲信されている現代において、この考え方は「将来の夢」に悩む全ての人に読んでいただきたい内容です。
例え、現時点で夢や目標がなくても、無理に作ろうとせず、いつか遠い未来で点と点が繋がることを信じて、常に今を全力で生きてください。
いま興味があることに全力を尽くしましょう。空虚な夢ではなく、今この瞬間を一生懸命駆け抜けることに命を燃やしましょう。
このページを読んだあなたの人生が、より豊かなものとなることを祈っております。