認知バイアスとは|認知バイアスの種類と一覧と具体例、防ぐためのポイントを解説

認知バイアスとは

認知バイアスとは、常識や固定観念、また周囲の意見や情報など、さまざまな要因によって誤った認識や合理的でない判断を行ってしまう認知心理学の概念です。

「バイアス(bias)」はもともと英語で「かたより(偏り)」という意味で、心理学においては「人の思考における偏り」を指します。

言い換えると、「思い込み」や「先入観」、「偏見」「差別」といったものから、「傾向」という軽度なものまですべて「バイアス」です。

認知バイアスが起こる仕組み

まず、人間の脳は、自分自身の知覚フィルター(五感)を通して外界に触れ、その刺激が脳に到達して情報処理されることで、外界を認識しています。

しかし、その情報処理が大雑把なので、わからない部分を勝手に埋め合わせてしまったり、先入観にとらわれて事実をねじ曲げたり、自分に都合よく事実を解釈してしまうのです。

脳の情報処理は粗い
  • メリット
    • 人間の脳への負荷を軽減できる
    • 膨大な情報量を素早く処理できる
  • デメリット
    • わからない部分を埋める
    • 先入観で事実を捻じ曲げる
    • 自分に都合よく解釈をする
    • →といった認知バイアスを引き起こす

このように、粗い情報処理の結果として、事実を正しく認識できずに不合理な(事実でない)認知をしてしまう傾向が「認知バイアス(cognitive bias)」です。

認知バイアスの一覧と具体例

認知バイアスには、さまざまな種類があります。個人レベルから集団レベルまで、さまざまな認知バイアスを紹介していきますね。(28種類)

認知バイアス説明・具体例
正常性バイアス自分に都合が悪い事実を信じない、現実を見ない
例:連帯保証人になったら友達が音信不通に。でもきっと大丈夫!
確証バイアス自分の信念を裏付ける情報を探し求め、それ以外を見ない
例:大好きな彼氏はココが良い!ココも素敵!
生存バイアス現在、生存している事例(成功例)しか見ない
例:成功した起業家を分析して、失敗例を見ない
後知恵バイアス過去の事象に「それは予測可能だった」と勘違い
例:そのじゃんけん、チョキなら勝てるってわかったよね?
自己奉仕バイアス自身に好意的な認識を持ちやすい傾向がある
例:成功は自分の能力が高いおかげ。失敗は外部環境のせい。
自己中心性バイアス自分を基準に、他者の心情や認知を推察する
例:自分の価値観を押し付ける、相手目線で考えられない
感情バイアス感情的な好き嫌いが意思決定に影響を与える
例:性能は悪いがつい好きなブランド商品を買ってしまう
投影バイアス自分の好み、感情、価値観を他人に投影して認識する
例:まわりの人も自分と同じ意見、感情だと思い込む
一貫性バイアス他者の1行動に一貫性があると思い込む
例:さっきナンパしてきた人、絶対いろんな女子に声かけてるよね
保守性バイアス新しい情報を取り入れて、考え方や行動を変えることに躊躇する
例:革新的な新技術が出ても、使わず、従来のやり方に固執する
バーナム効果曖昧な特徴でも、自分に強く該当すると思い込む効果
例:占い師「あなたは◯◯な人間ですね」→そうかも!
ハロー効果ある事象への評価が、他の目立った特徴に引っ張られる効果
例:清潔感がない人は、仕事もできなさそうだし性格も悪そう
ダニングクルーガー効果能力の低い人ほど自分を高く評価しやすい心理効果
例:もうこのゲームはコツ掴んだな!オレ最強かも!
コンコルド効果過去の投資を惜しんで、追加投資をやめられない効果
例:UFOキャッチャーを取れるまでやってしまう
バンドワゴン効果多くの人々が支持する意見や行動に信頼感を抱く効果
例:子どもが、他のみんなと同じオモチャを欲しがる
フレーミング効果同じ情報でも伝え方によって受け取り方が異なる効果
例:電池残量が「残り50%もある」と「残り50%しかない…」
アンカリング効果最初に提示した情報が基準となり、その後の認識に影響を与える効果
例:商品の値下げ(大きく下がっているとお得に感じますよね?)
アンダードッグ効果不利な立場の負け犬を同情・応援したくなる効果
例:バレンタインに縁がなさそうな人にチョコをあげたくなる
クレショフ効果2枚の関係ない写真に、意味的な繋がりを感じる効果
例:「野菜」「不機嫌な人の顔」→野菜が嫌い?
バックファイア効果信念に反する情報を提示すると、裏目になる効果
例:大好きな彼氏を批判されると、かえって愛情が増す、守る
真理の錯誤効果繰り返された情報を真実だと思い込む効果
例:「最高品質」と効果を連呼するTVCMを繰り返しみて信じる
リスキーシフト集団の中だと、よりリスクの高い意思決定をしやすくなる効果
例:赤信号、みんなで渡れば怖くない
錯誤相関二つの事柄に、相関関係があると錯誤(思い違い)すること
例:雨男/雨女、アイスの売上と溺死数
根本的な帰属の誤り他人の行動の場合、外部要因を過小評価してしまう傾向
例:遅刻の原因で、状況要因を考慮しにくい(性格のせいにしがち)
アロンソンの不貞の法則知らない人からの褒め言葉を、より嬉しく感じる法則
例:家族よりも、他人から認められると嬉しい
代表性ヒューリスティックある対象の判断を、既知概念の代表的特性との類似性で判断する
例:「尻尾が丸い動物」→「うさぎかな?」
可用性ヒューリスティックある判断をするとき、すぐに思い出せる事例や情報から判断しやすい
例:馴染みのものや、人気ブランド、記憶に浮かぶ商品を選びがち。
選択のパラドックス選択肢が多ければ多いほど不満を感じやすくなる
例:レストランのメニュー、料金プランの種類など

では、それぞれ解説していきます。

正常性バイアス

正常性バイアス(normalcy bias)とは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする、という思考の偏りのことです。(別名:正常化の偏見)

以下にその具体的な例をいくつか挙げます。

正常性バイアスの具体例
  • 自然災害
    • 洪水が起きても大丈夫だと思う
    • 大地震が起きても大丈夫だと思う
  • 健康への問題
    • 体調が悪い気がするけどたぶん大丈夫
    • 喫煙者が肺がんになるリスクを過小評価する
    • 食生活や睡眠習慣が乱れても問題ないと思う
  • 勉強や仕事の締め切り
    • 明日テストで全く勉強してないけど大丈夫
    • 仕事の納期まで時間ないけどなんとかなる

これらの具体例からわかるように、正常性バイアスは、人間がリスクそのもの過小評価し、適切な対策を講じる能力を阻害する可能性があります。

どんなリスクがあっても「まあでも、それってあくまで統計上の話だよね?さすがに大丈夫でしょ。」と現実を直視しません。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分の仮説や信念を検証しようとするような場合に、自分を支持する情報ばかりを集め、逆に、反対意見は無視、あるいは軽視する認知バイアスです。

要するに「自分が信じたいものを信じる」ということですね。いくつか具体例をあげていきます。

確証バイアスの具体例
  • 彼氏の浮気
    • 彼氏の浮気がバレても「君が一番だよ」と言われると信じてしまう
  • ビジネスにおける意思決定
    • 自身が実現したいプランを後押しする都合良いデータ、事例だけ収集する

このように、自分が信じたい部分だけの情報を集める一方で、自分にとって都合が悪い情報を無視、軽視してしまうのが確証バイアスです。

生存バイアス

生存バイアス(survivorship bias)とは、現在、生存している事例(成功例)のみを分析することで、全体像を誤解する認知バイアスのことです。失敗して消えていったケースが分析から除外されるため、結果として誤った結論を導く可能性があります。

具体例を見てみましょう。

生存バイアスの具体例
  • ビジネス全般
    • 成功した事例だけを探す
    • 失敗した事例を探さない
    • 大物起業家の意見だけを参考にする
  • トレーニングや勉強方法
    • 成功したアスリートの訓練を真似する
    • 有名大学に合格した生徒の体験談だけ見る

このように「なぜ成功したのか」に焦点は当たるものの「なぜ失敗したのか」にはなかなか焦点が当たりません。何かに新しく挑戦する時は、両方とも重要なのに、です。

後知恵バイアス

後知恵バイアス(hindsight bias)とは、事象が起こった後に「それは予測可能だった」「そうなって当然だよね」と誤って思い込む認知バイアスです。

後知恵バイアス
  • ゲームやスポーツの試合
    • 試合後に解説者が「予測できましたね」
    • ゲームで負けて「こうすれば勝てたじゃん!」
  • 株式市場の株価変動
    • 投資家「この動きは予見できた(キリッ」
  • 仕事での上司のフィードバック
    • 「市況的にこうなるってわかるでしょ」
    • 「競合がこうしたら勝てないってわかるでしょ、なんで最初から対策しないの?」

確かに、言われればその通りではあるのですが、「事前に選択肢を出すことはできても、100%その通りになると予測するのは無理」です。まさに下記の具体例ですね。

やや極端な例

引用元:X(旧Twitter)

このように、後知恵バイアスは「過去の出来事を評価する方法」に影響を及ぼし、事象の予測が容易であると誤った印象を与えるものです。

結果として、学習や改善の機会を見逃すうえに、自己評価を過大にする可能性があります。

自己奉仕バイアス

自己奉仕バイアスとは、成功したときは自分の能力、失敗したときは外部要因という「自身に好意的な認識」を持ちやすい傾向、認知バイアスのことです。

  • 自身の成功
    →自分の能力や努力が優れていた
  • 自身の失敗
    →外部環境や他者の悪影響を受けた

いくつか例を挙げてみましょう。

自己奉仕バイアスの具体例
  • 学力テスト
    • 良い点数:自分が頭良い、努力した
    • 悪い点数:教師の教え方が悪い
  • 新しいビジネスで起業
    • 良い結果:自身の戦略とカリスマ性のおかげ
    • 悪い結果:従業員が足を引っ張った
  • チームスポーツの大会
    • 勝利:自身の技術力や能力のおかげ
    • 敗北:チームメイトが足を引っ張った

このように、良い結果だと「自分のおかげである」と評価し、悪い結果だと「自分のせいではない(他人や環境のせいだ)」と評価する傾向が自己奉仕バイアスです。

ちなみに、自己奉仕バイアスは、自己尊重感を保つための防衛規制として働いているケースが多いです。しかし、過度になってしまうと、自己改善の機会を逃すどころか、チームや仲間との軋轢を生む可能性があるので注意が必要です。

自己中心性バイアス

自己中心性バイアスとは、他者の心理を推察するときに、無意識的に自分だけが知っている情報に左右されてしまう認知バイアスのことです。

要は「自分の目線でしか物事を考えられない」という状態ですね。やや価値観の押し付けに近いものがあるかもしれません。他にも具体例を紹介します。

自己中心性バイアスの例
  • 自分の価値観を押し付ける
  • 自分にしかわからない専門用語を使う
  • 自分の行動が他人に与える影響を考えない
  • 自分だけがみている情報で判断してしまう
    • 例えば、夫婦間の家事分担で、自分ばかりが頑張っていると思ってしまう(相手の行動を把握していないのに)

このように、自分本位な捉え方をしてしまうので、人間関係のトラブルの原因になることがあります。克服するために、以下の点に注意しましょう。

  • 相手の立場や気持ちを理解しようとする
  • 自分の行動が他人に与える影響を考える
  • 自分の意見を押し通すのではなく、相手の意見も尊重する

これらを意識してトラブルを防ぎましょう。

感情バイアス

感情バイアス(emotional bias)とは、人々の意思決定や判断が「感情」によってプラスマイナスの影響を受ける認知バイアスのことです。簡単な例だと「好きだから良い、嫌いだから悪い」という判断がありますね。

以下にその具体的な例をいくつか挙げてみましょう。

感情バイアスの具体例
  • 人間関係での贔屓
    • 好きな人がミスしても寛容
    • 嫌いな人には厳しく当たる
    • 憧れの人の意見を正しいと信じる
  • 購入における意思決定
    • 幼少期から愛着のある食品を買う
    • 性能が劣っていても好きなブランドを買う
  • ビジネス
    • 過去の成功体験に依存した意思決定
    • 未知への不安や恐怖から挑戦できない

このように、機能や経済的な合理性を無視して、感情的に好ましいものを優遇し、感情的に好ましくないものを冷遇する傾向を「感情バイアス」と言います。

投影バイアス

投影バイアスとは、自分の好み、感情、価値観を他人に投影して認識してしまう認知バイアスです。以下にその例をいくつか挙げてみます。

投影バイアスの具体例
  • 自分が好きなものは相手も好きだと思う
    • 音楽や食べ物、アイドルやスポーツチーム等
    • 自分が好きなものを誕生日に送る、等
  • 自分が簡単なことは、相手も簡単だと思う
    • 見ればすぐわかるよ!
    • なんでこんな簡単なこともできないの?

これらは、特に子どもに強く現れる認知バイアスですね。成長過程で「ヒトはみんな違うこと」を認識して、段階的に弱まっていきます。

一貫性バイアス

一貫性バイアスは、他者に対して、過去の言動や態度が、現在や将来も一貫して変わらないと考えてしまう認知バイアスです。

ある人が特定の行動をしているのを見たとき、その人は「過去にも同じ行動をしてきた」かつ「これからも同じ行動を続けるだろう」と思い込む傾向を指します。

具体例は下記の通りです。

一貫性バイアスの具体例
  • 遅刻された場合
    • 知り合いが遅刻をしたら「よく遅刻をする人なんだろうな」と思う
  • ナンパされた場合
    • ナンパされたら「よくナンパしているんだろうな」と思う

一貫性バイアスが働くと、他人の行動を「過去や未来に引き伸ばして評価する」ことに繋がるので、好印象を形成することに役立ちます。(もちろん悪印象も形成されるので、注意してください。)

保守性バイアス

保守性バイアスとは、人々が新しい情報を取り入れて、考え方や行動を変えることに躊躇する傾向、認知バイアスです。文字通り、保守的になります。

これまで信じてきた情報の蓄積量、および行動期間が長ければ長いほど、新しい考え方を取り入れることを阻害する働きが強まります。

例を見てみましょう。

保守性バイアスの具体例
  • 職場での新技術導入
    • 画期的な新技術があっても、既存の業務フローや考え方を更新することができず、結果として会社の成長や革新が阻害されることがあります。
  • 医者による患者の病状判断
    • 既存の診断を行った場合、相反する新たな証拠が出てきても、既存の診断に固執して正当性を検証する、あるいは新たな証拠を無視しやすい可能性があります。
  • AIツールの普及
    • chatGPTをはじめとした画期的なツールが開発されても、それらを使わずに既存のやり方に固執するのも、保守性バイアスの一種です。

このように、新しい情報や変更に、無意識な抵抗を引き起こす傾向が保守性バイアスです。変化し続ける現代において、現状維持は後退なので注意しましょう。

バーナム効果

バーナム効果は、誰にでも該当するような「曖昧で一般的な性格の特徴」にも関わらず「自身に強く当てはまる特徴」として思い込む認知バイアスです。(別名:フォラー効果)

有名な例として、占い、心理テスト、手相などがありますね。「言われるとそんな気がする」と感じる例をいくつか紹介します。

バーナム効果の具体例
  • あなたは情熱的で、他人に対して深い共感を持っていますね
  • あなたは他人との関係を深く大切にする一方で、時には自己主張が強くなりすぎることもありますね
  • あなたは新しい人々との出会いを楽しむ社交的な一面がある一方で、自分だけの時間を必要としますね

このように、誰にでも一定は当てはまる特徴であっても、言われてみると「確かにそうかも!」と強く感じてしまうのが「バーナム効果」です。

ハロー効果

ハロー効果とは、ある人を評価をするときに「見た目」や「肩書」といった目立ちやすい特徴によって、評価内容が歪められてしまう認知バイアスです。(別名:光背効果)

例えば、「清潔感があって見た目が良い人は、頭がよくて、仕事もできるのだろう」といったように、全く因果関係がない要素を結びつけて評価してしまいます。他にも例をあげますね。

ハロー効果の具体例
  • 仕事での評価
    • 見た目が清潔で綺麗だから、仕事ができそう
    • 営業成績が良いと、分析やマーケもできそう
  • 教育現場での生徒の評価
    • 礼儀正しい生徒は、成績も優秀そう
    • 1教科の成績が優秀だと、他も優秀そう
  • 製品の評価
    • デザインが美しいと、その他の性能も高いと思い込む

このように「ハロー効果」は、人間が物事を評価するときに、他の特徴に引っ張られて評価が歪んでしまう認知バイアスです。

ダニングクルーガー効果

ダニング・クルーガー効果とは、能力の低い人ほど自分を高く評価するという現象のことで、根拠がないのに自身を過大評価をすることから「優越の錯覚」とも呼ばれる認知バイアスです。

「自信」と「知識・経験」には、下記グラフのような傾向があると知られています。近年は、キャッチーな言葉で、馬鹿の山、絶望の谷、などと表現されることが多いですね。

ダニング・クルーガー効果

このように、ダニング・クルーガー効果は「自己評価の誤り」を引き起こしてしまうので、自己改善や学習の機会を見逃す可能性がある認知バイアスです。

「馬鹿の谷」で慢心すると、それ以上の努力をしなくなりますからね。あるいは「絶望の谷」で挫折し、諦めてしまうケースもよく見られます。

コンコルド効果

コンコルド効果とは、人やモノ、サービスへの「金銭的・時間的・精神的な投資」を行い続けることで、さらに損失となると気づいているにも関わらず、これまでの回収できていないコストを惜しみ、投資を続けてしまう認知バイアスです。(別名:サンクコスト効果)

特に、UFOキャッチャーで「あと少しで取れるから!」と景品が取れるまでやり続けてしまう例が有名ですね。他には下記のものがあります。

コンコルド効果の具体例
  • レストランや映画など
    • どんなに不味くても、つまらなくても、すでにお金を払ったので、途中で退室しない
  • ビジネスの新規事業
    • 新製品の開発に多大な資金を投じたので、ヒットしなくても、さらなる投資をやめられない
  • 副業ブロガー
    • 100記事書いたけど全然PV伸びない。でもここまで頑張ったから辞められない

他にも「口説きたい女性への貢ぎものを辞められない」「当たるまでパチンコ台から退けない」などもありますね。

このように、将来の損失を回避するためにすぐ止めるべきでも「ここでやめたら、もったいない!」と、過去の投資を惜しんでやめることができないのです。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、人々は、多くの人々が支持する意見や行動に対して賛同しやすく、自身も追随すべきだと思い込む傾向、認知バイアスのことです。

  • みんなが言うなら間違いない
  • みんながやっているなら有益だろう
  • みんながやっているから、やるべき

といったように、他人の意見や行動に影響を受けやすく、特に多数の人々が同じことをしている場合、その行動を自分も行うべきだと強く感じます。

バンドワゴン効果の具体例
  • 購買意欲
    • 多く買われている人気商品を買いたがる
    • 子どもが、みんなと同じオモチャを欲しがる
  • スポーツや投票
    • 多くの人が応援するチームを応援したくなる
    • 選挙で優勢な候補者を応援したくなる
  • 流行り、トレンド
    • 友達の多くが着ている服を着たがる
    • TikTokで流行りのアプリやダンスをしたがる

このように、多くの人が支持する事柄や物に対して、安心感や信頼感を抱き、自分も追随すべきだと感じる傾向が「バンドワゴン効果」です。

フレーミング効果

フレーミング効果とは、同じ情報でも、提示方法や文脈といった焦点の当て方によって、異なった受け取り方や意思決定をする、という認知バイアスのことです。

具体例を見てみましょう。

フレーミング効果の具体例
  • 栄養ドリンクの表示
    • ビタミンCが1,000mg配合
    • ビタミンCが1g配合
    • レモン◯個分のビタミンC!
    • 1日分のビタミンC!
  • 電池の残量
    • 電池残量が残り50%もある!
    • 電池残量が残り50%しかない…
  • スプレーの除菌効果
    • これを使えば95%殺菌!
    • これを使っても5%の菌が残ってしまう
  • 医者が伝える手術リスク
    • この手術は90%成功しますよ!
    • この手術には、10%の失敗率があります…

このように、伝える事実は同じでも、その伝え方や文脈によって、異なった受け取り方がされる傾向を「フレーミング効果」と言います。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に提示された情報(特徴や数値的なデータ、価格など)が判断基準となり、その後の意思決定や評価を左右するという認知バイアスです。

この最初の提示した判断基準となる情報を「アンカー」と言います。船の碇ですね。よく見慣れた例だと、値引き表示があります。

  • ¥100,000 ¥80,000(20%OFF!!)
  • ¥80,000

おそらく多くの人が前者を得だと感じるはずです。他にもいくつか例をあげてみましょう。

アンカリング効果の具体例
  • 提示する値段
    • アパレル店は、基本セールや値下げばっかりしていますよね
    • 引越し業者は、値下げされる前提で「見積もり金額」を提示しますね
    • 結婚指輪は、店舗入口に高価な指輪がありますよね。金銭感覚をバグらせます
  • その他評価
    • 転職活動においては「前職の年収」もアンカーになります
    • 飲食店の口コミ評価が「4.2」なら相応の期待をして食べますよね
    • 普段、素行の悪いヤンキーが、たまに良いことをするとギャップで、素敵に見えますよね

このように、最初に提示されている評価や値段が、その後の認識や意思決定を左右する基準になります。何かを判断するときには基準が必要ですからね。

アンダードッグ効果

アンダードッグ効果とは、人々が、より不利な立場にある負け犬(アンダードッグ)に対して、同情的で、応援したくなる傾向、認知バイアスのことです。

アンダードッグ効果の具体例
  • 不遇な主人公が応援されやすい
    • 不遇な生い立ちの弱者が「主人公」だと、困難を乗り越えることに喜びを感じやすい
  • 不人気なキャラクターが応援される
    • 一部のユーザーが、ランキング評価が低い不遇なキャラクターを応援することがある
  • 選挙で不利そうな候補者に票を入れる
    • 一部の有権者は、当選が難しそうな候補者にあえて入れることがある
  • モテなさそうな人に義理チョコをあげる
    • バレンタインに縁がなさそうな人に、あえてプレゼントしたくなる

このように、不遇な立場にある負け犬に対して、同情する気持ちが働き、応援したいと思う傾向がアンダードッグ効果です。この結果、まれに大番狂せな逆転劇が起こることもありますね。

クレショフ効果

クレショフ効果とは「前後の脈絡がない映像や写真の羅列」に対して「前後のつながりを無意識に関連づけ、勝手に意味を解釈してしまう」認知バイアスです。

例えば、以下の画像を見てください。

クレショフ効果の具体例

猫はどんな気持ちだと思いますか?

  • 猫がご飯を食べたがっている
  • 猫がご飯を食べれず、いじけている
  • 猫がご飯を狙っている

と「猫」と「ご飯」を関連づけて、猫の表情を解釈したら、それがクレショフ効果による影響です。本来、この2枚の写真には一切関係がありません。

このように、クレショフ効果は、視聴者の感情や解釈を操作するための強力なツールとなります。広告やブランディングで活用される事例が多いですね。

バックファイア効果

バックファイア効果とは、人々が、自分の信念や意見に反する情報を提示されたときに、反対意見を聞き入れず、考えをより強固にする傾向、認知バイアスのことです。

このバックファイア(backfire)は「裏目に出る」と言う意味の英語ですね。いくつか例をあげてみましょう。

バックファイア効果
  • 政治や宗教的な信念
    政策や宗教に対して、科学的に間違いである根拠を提示しても、一部の支持者は全く聞き入れず、むしろより支持を強めることがあります
  • ワクチンの科学的誤解
    とあるワクチンに対して「科学的に安全である」という証拠が提示されてもなお、「危険である」という思想を強める層がいます

このように、自分の信じる事柄にたいして、反論や誤りの指摘があったとしても、素直に聞き入れることはなく、むしろ強く盲信してしまう傾向が、バックファイア効果です。

真理の錯誤効果

真理の錯誤効果とは、同じ情報が何度も繰り返されることによって、その情報が真実であると認識される傾向、認知バイアスのことです。(別名:真実性の錯覚)

同じ情報に繰り返し触れることで信じてしまうので、幼少期からご両親に聞かされてきた主張や迷信を真実だと思っている方も多いのではないでしょうか。

例えば「人間は脳の10%しか使っていない」「ニンジンを食べると視力が上がる」といった過去の迷信もその一部ですね。他にも見てみましょう。

真実性の錯覚の具体例
  • 効果を連呼するTVCM
    • 例えば「最高品質」と繰り返し言われるなど
    • 何度もTVCMで見る商品やサービスには信頼が湧きますよね
  • SNSでよく見る怪しい情報商材屋
    • 私は◯年で◯億円稼ぎました(嘘)
    • 大事なので何度も言いますが〜誘導

このように、何度も聞いた情報を真実だと思ってしまうのが「真理の錯誤効果」です。これは、接触が多ければ多いほど好感度が増す「単純接触効果」からもきていますね。

ちなみに、真理の錯誤効果がより強力になる条件として、それ以外の情報に抵抗感を示していたり、悩んでいたりしている、というものがあることが知られています。(自分の信念に近い情報だけを探して盲信する確証バイアスに近い原理ですね。)

リスキーシフト

リスキーシフトとは、人間は、集団内で意思決定を行う場合だと、リスクがより高い選択をしやすくなる、という認知バイアスです。

個人ではなく、集団だからこそ起きるもので、原因としては下記のものが知られています。

リスキーシフトのメカニズム
  1. 集団だと「極端な意見」が注目されやすい
  2. 個人の責任が軽いので、強気に決めやすい
  3. 同調圧力で反対意見も主張しにくい

ビジネスなら責任の所在が明確(管理職、経営陣)なので問題となりにくいですが、明らかなリーダーがいない集団だと「赤信号、みんなで渡れば怖くない」となりやすいですね。

例を見てみましょう。

リスキーシフトの具体例
  • スポーツの戦術決定
    • 戦術に責任を持つ監督がいないと、リスクが高いものが採用されやすくなります。
  • 社会的な行動全般
    • 友人と一緒だとリスクのある行動を取りやすくなります。集団内での行動は、個人での行動よりも社会的なリスクが少ないので(例:過度な飲酒や、危険なスポーツ)

このように、リスキーシフトは「集団内での意思決定」に影響を及ぼす認知バイアスです。責任の所在を明確にし、全体を俯瞰した冷静な意思決定を行うほかありません。

錯誤相関

錯誤相関とは、とある二つの事柄に、本来は相関関係が存在しないものの、まるで相関関係があるように錯誤(思い違い)してしまう認知バイアスのことです。

たまたま、何度かタイミングが重なったり、統計上のデータ推移が重なったりした時に起こり得ます。例をあげてみますね。

錯誤相関の具体例
  • 雨男、雨女
    • たまたま何度か重なっただけです
  • 四葉のクローバーを見つけると幸せになれる
    • 迷信です。関係ありません。
  • インターネットの普及が自殺率を上げている
    • データ推移が近いだけです。関係ありません。

この錯誤相関は、その事象同士が、記憶に浮かびやすい出来事(例:珍しい、ネガティブ)であった場合に発生しやすい心理現象として知られています。

根本的な帰属の誤り

根本的な帰属の誤りとは、自分の身におこった場合は原因を外部(環境、他人)に帰属させるが、他人の場合だと内部(個性や性格)に帰属させる認知バイアスです。

特に、他人の過失における原因は、「当人の性格や行動にある」として、「状況的な要因」を過小評価する認知の歪みに対して使われるケースが多いですね。

根本的な帰属の誤りの具体例
  • 遅刻の原因
    • 当人が無責任で怠惰だと思いやすい
    • 交通事故や予期せぬ事情は考慮しない
  • 職場でのミス
    • 当人が不注意で無能だと判断しやすい
    • ワークフローや事前研修、外部要因は考慮されにいくい

このように「根本的な帰属の誤り」は、他人の評価結果に影響を及ぼし、状況的な要因を過小評価してしまう認知バイアスです。

ビジネス上で過失をした場合は、不遇な評価を受けないためにも(かつ再発しないようにするためにも)、内部要因と外部要因を明確にして、説明責任を果たすようにしてください。

アロンソンの不貞の法則

アロンソンの不貞の法則とは、よく知っている相手からの褒め言葉よりも、よく知らない相手からの褒め言葉の方が嬉しい、と感じる傾向、認知バイアスです。

例えば、以下のような経験に、身に覚えがあるのではないでしょうか。

アロンソンの不貞の法則の具体例
  • 家族に認められても嬉しくないけれど、他人から認められると嬉しい
  • 仲の良い友だちに褒められるとお世辞だと思うけど、ちょっとした知り合いに褒められると本心から褒めてもらえている気がする

アロンソンの不貞の法則は、恋愛対象となる性別の人と恋愛関係になったり、より早く親しくなったりしたいときに活用できる法則として知られています。

代表性ヒューリスティック

代表性ヒューリスティックとは、ある対象を判断、予測するときに「既知概念の代表的特徴にどれくらい近いか」をもとに判断する傾向、認知バイアスです。

例えば「尻尾が丸い動物→うさぎかな?」「すごいマッチョ→ボディビルダーかな?」「高身長イケメン→モデルかな?」などの予測ですね。他にも見てみましょう。

代表性ヒューリスティックの具体例
  • 白衣を着ている→医者かな?
  • 耳がぴーんと長い→うさぎかな?
  • 目の下にクマがある→寝不足かな?
  • 白くて丸いもっふもふ→うさぎかな?
  • 赤くて丸い果物がある→りんごかな?
  • 人参をもぐもぐ食べてる→うさぎかな?
  • 深夜も明るいオフィス→ブラック企業かな?

このように、代表性ヒューリスティックは、既存のものとの「類似性や典型性」に基づいて、シンプルかつ迅速な判断を可能にします。

ただ、ぱっと見の経験則から決めつけてしまうと、誤った判断を引き起こす可能性があるので注意しましょう。例外はたくさんありますからね。

※なお「ヒューリスティック」とは、人間が迅速かつ効率的に物事を判断するために利用する「手がかり」や「経験則」のことです。

可用性ヒューリスティック

可用性ヒューリスティックは、判断や意思決定をする際に、利用可能な情報やすぐに思い出せる事例をもとに判断する傾向、認知バイアスです。(別名:可用性バイアス)

料理で例えるなら「冷蔵庫にある食品」や「パッと思い出せるレシピ」から、その日の献立を決めるイメージですね。他にも例をあげてみます。

可用性ヒューリスティックの具体例
  • なにかしらの商品選び
    人気ブランドや記憶に浮かぶ商品を選びがちですね。それこそ以前使ったことのあるメーカーの製品や、評判が良い商品などです。
  • 交友関係の選択
    友人や知り合いと交友する時、楽しかった記憶がある人や、共通の趣味を持つ人と付き合いたいと思う傾向がありますよね。
  • 馴染みのお店やサービス
    新しく探したりせず、すでに知っているものを使おうとしやすいですよね。それが遠い過去の記憶だとしても。

このように、何かしらの意思決定をする時、すぐに思い出せる事例や記憶をもとに判断する傾向が「可用性ヒューリスティック」です。

情報の入手と処理が早くなるメリットがある一方で、視野狭窄に陥り、それ以上の最適化を見つけにくく、場合によっては判断を間違える点に注意が必要です。(特に、環境が変わると、過去の事例が、今では通用しないことがあるので。)

※なお「ヒューリスティック」とは、人間が迅速かつ効率的に物事を判断するために利用する「手がかり」や「経験則」のことです。

選択のパラドックス

選択のパラドックスとは、選択肢が多ければ多いほど不満を感じやすくなるという現象、認知バイアスのことです。

従来は「選択肢が多いほど人は自由、幸せである」とされてきましたが、選択肢が多くなると下記のようなデメリットが生じてしまいます。

選択肢が多いことのデメリット
  • 選択する時に、より多くの時間と処理が必要になる
  • 選択した後も「他の選択肢の方が良かったかもしれない」という後悔が残る

本来、より合理的な選択をするためには「選択肢は多ければ多い方が良い」はずなので、より合理的な意思決定をする前提からすると矛盾しています。

具体例をみてみてみましょう。

選択のパラドックスの具体例
  • レストランのメニュー数
    メニューの選択肢が増えるほど、細かい違いを比較し、最適な選択を追求することになります。その結果として満足度が低下してしまうというものです。
  • オンラインショッピング
    商品の選択肢が多すぎると、比較に時間がかかり検討が難しくなります。結果として、満足度が低下し、最終的に購買意欲が減退することすらあります。

このように、選択肢が多いことで、満足度を低下させることを「選択のパラドックス」と言います。

実際、選択肢の多さは「自由度」だけでなく「情報処理や比較の難しさ」まであげてしまいます。そして「損する選択肢を選びたくない」と思うので、脳が疲れてしまうんですよね。

認知バイアスを防ぐためのポイント

認知バイアスは共通して「過去の経験や直感による思い込み」で非合理的になってしまう心理現象なので、意識して対策することで、一定は緩和することができます。

ではそれぞれ解説していきます。

①認知バイアスの理解を深める

まず、どういった認知バイアスが存在するのかを知らなければ、意識して防ぎようがありません。改めて目を通しておくと良いでしょう。

認知バイアス説明・具体例
正常性バイアス自分に都合が悪い事実を信じない、現実を見ない
例:連帯保証人になったら友達が音信不通に。でもきっと大丈夫!
確証バイアス自分の信念を裏付ける情報を探し求め、それ以外を見ない
例:大好きな彼氏はココが良い!ココも素敵!
生存バイアス現在、生存している事例(成功例)しか見ない
例:成功した起業家を分析して、失敗例を見ない
後知恵バイアス過去の事象に「それは予測可能だった」と勘違い
例:そのじゃんけん、チョキなら勝てるってわかったよね?
自己奉仕バイアス自身に好意的な認識を持ちやすい傾向がある
例:成功は自分の能力が高いおかげ。失敗は外部環境のせい。
自己中心性バイアス自分を基準に、他者の心情や認知を推察する
例:自分の価値観を押し付ける、相手目線で考えられない
感情バイアス感情的な好き嫌いが意思決定に影響を与える
例:性能は悪いがつい好きなブランド商品を買ってしまう
投影バイアス自分の好み、感情、価値観を他人に投影して認識する
例:まわりの人も自分と同じ意見、感情だと思い込む
一貫性バイアス他者の1行動に一貫性があると思い込む
例:さっきナンパしてきた人、絶対いろんな女子に声かけてるよね
保守性バイアス新しい情報を取り入れて、考え方や行動を変えることに躊躇する
例:革新的な新技術が出ても、使わず、従来のやり方に固執する
バーナム効果曖昧な特徴でも、自分に強く該当すると思い込む効果
例:占い師「あなたは◯◯な人間ですね」→そうかも!
ハロー効果ある事象への評価が、他の目立った特徴に引っ張られる効果
例:清潔感がない人は、仕事もできなさそうだし性格も悪そう
ダニングクルーガー効果能力の低い人ほど自分を高く評価しやすい心理効果
例:もうこのゲームはコツ掴んだな!オレ最強かも!
コンコルド効果過去の投資を惜しんで、追加投資をやめられない効果
例:UFOキャッチャーを取れるまでやってしまう
バンドワゴン効果多くの人々が支持する意見や行動に信頼感を抱く効果
例:子どもが、他のみんなと同じオモチャを欲しがる
フレーミング効果同じ情報でも伝え方によって受け取り方が異なる効果
例:電池残量が「残り50%もある」と「残り50%しかない…」
アンカリング効果最初に提示した情報が基準となり、その後の認識に影響を与える効果
例:商品の値下げ(大きく下がっているとお得に感じますよね?)
アンダードッグ効果不利な立場の負け犬を同情・応援したくなる効果
例:バレンタインに縁がなさそうな人にチョコをあげたくなる
クレショフ効果2枚の関係ない写真に、意味的な繋がりを感じる効果
例:「野菜」「不機嫌な人の顔」→野菜が嫌い?
バックファイア効果信念に反する情報を提示すると、裏目になる効果
例:大好きな彼氏を批判されると、かえって愛情が増す、守る
真理の錯誤効果繰り返された情報を真実だと思い込む効果
例:「最高品質」と効果を連呼するTVCMを繰り返しみて信じる
リスキーシフト集団の中だと、よりリスクの高い意思決定をしやすくなる効果
例:赤信号、みんなで渡れば怖くない
錯誤相関二つの事柄に、相関関係があると錯誤(思い違い)すること
例:雨男/雨女、アイスの売上と溺死数
根本的な帰属の誤り他人の行動の場合、外部要因を過小評価してしまう傾向
例:遅刻の原因で、状況要因を考慮しにくい(性格のせいにしがち)
アロンソンの不貞の法則知らない人からの褒め言葉を、より嬉しく感じる法則
例:家族よりも、他人から認められると嬉しい
代表性ヒューリスティックある対象の判断を、既知概念の代表的特性との類似性で判断する
例:「尻尾が丸い動物」→「うさぎかな?」
可用性ヒューリスティックある判断をするとき、すぐに思い出せる事例や情報から判断しやすい
例:馴染みのものや、人気ブランド、記憶に浮かぶ商品を選びがち。
選択のパラドックス選択肢が多ければ多いほど不満を感じやすくなる
例:レストランのメニュー、料金プランの種類など

②認知バイアスの診断を受ける

次は、自身が「どういったバイアスを持ちやすいのか」という思考の癖を知ることをおすすめします。ミイダスで診断可能ですね。(確か、無料でできる診断は唯一だと思います。)

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引用元:ミイダス

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③ものごとを批判的に考える

認知バイアスに陥るのを防ぐためには、「なにごとも疑ってかかる」ということが重要です。 例えば以下のように批判的に考えましょう。

批判的に考えるための問い
  • 何が事実で、何が解釈か
  • 情報は正しいものなのか
  • 反対意見には何があるか
  • 別の観点から考えると解釈は変わるか

このように、ものごとをさまざまな角度から複眼的にとらえることができれば、認知バイアスに陥りにくくなります。

ただし、根っこから認知バイアスに両足を突っ込んでしまっている人は、そもそもこのクリティカルシンキング(批判的思考)を持てないので、注意しましょう。

④第三者の意見を参考にする

認知バイアスは自身の考えに客観性を持てなくなる心理現象なので、「第三者の意見を借りる」というのが効果あります。

例えば、自分にとって利害関係のない相手であったり、自分にとって都合の悪いことも率直に言ってくれる相手がおすすめですね。

最後に

認知バイアスとは、常識や固定観念、また周囲の意見や情報など、さまざまな要因によって「合理的でない」決断や言動を行ってしまう認知心理学の概念です。

一部良い影響はあるものの、誤った判断を招く可能性があるので、認知バイアスにかからないためにも、まずは注意をすることから始めましょう。

このページを読んだあなたの人生が、より豊かなものとなることを祈っております。

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ABOUT US
長谷川
長谷川
国立大学卒業後、メンタルヘルス関連の専門的心理相談業務に従事。臨床心理学関連の論文執筆歴多数(保有資格:臨床心理士、公認心理士)