一貫性バイアスとは|過去〇〇だったからこれからも〇〇だと思い込む認知バイアスを解説

一貫性バイアスとは、人の行動や言動に対して、時間的な一貫性があると思い込んでしまう認知バイアスのことです。

例えば、ゴミ拾いなどの奉仕活動をしている人を見て、「過去にもしてきたのだろう、これからもしていくのだろう」と思い込んでしまうことが挙げられます。

このように人間には、現在の行動を見ただけで、過去や未来に対して勝手に一貫性を持たせて認識してしまう傾向があるのです。

実際のところは、以下のように多くの可能性があったとしても。

  • たまたまその日から始めた
  • 友人との飲み会での罰ゲームで仕方なく
  • カラスに突かれた自宅のごみ袋の中身を集めていた

そこで今回は、一貫性バイアスについて解説していきます。

一貫性バイアスは、認知バイアスの1つ

認知バイアスとは、常識や固定観念、また周囲の意見や情報など、さまざまな要因によって「合理的でない」認識や判断を行ってしまう認知心理学の概念です。

一貫性バイアス以外で、認知バイアスの例をあげると、以下のようなものがあります。

認知バイアスの例
  • 確証バイアス
    自分の仮説や信念を検証するとき、都合良い情報ばかりを集め、都合の悪い情報を見なくなる心理現象
  • 正常性バイアス
    自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする心理現象

ちなみに、「バイアス」とは思考の偏りのことを指しています。

そもそもバイアスとは

「バイアス(bias)」はもともと英語で「かたより(偏り)」という意味で、心理学においては「人の思考における偏り」を指します。

言い換えると、「思い込み」や「先入観」、「偏見」「差別」といったものから、「傾向」という軽度なものまですべて「バイアス」です。

これらのバイアスは、脳が「知覚し・感情を生起させ・記憶を形成し・行動に至ったりする」といった全プロセスに影響を与えるため、ときに大きな判断ミスに繋がることもあります。

そして、思考にバイアスのない人間は存在せず、全ての人間は、あくまで限定された合理性しか持ち得ないというのがポイントです。

一貫性バイアスの効果|印象は過去や未来に引き伸ばせる

一貫性バイアスを知っていると、相手に効果的に好印象を与えることができます。

24時間365日全力で良い人でいなくとも、自分が狙った相手の目の前で好印象を与えるような行動をすれば、相手は勝手に、好印象を過去や未来にまで引き伸ばして、自分に良い印象を抱いてくれる可能性が高いからです。

ただし、一貫性バイアスは、悪印象を形成させるときにも働いてしまうことに注意が必要です。

せっかく好印象を与えていても、いくつかの場面で相手に悪印象を与えてしまえば、今度は「一貫性バイアス」により、悪い印象が過去や未来に渡って上書きされてしまいます。

場面によって態度をコロコロ変えるのではなく、良い印象を与えたい相手の前では、自分のよさを少し強調して相手に印象づけるくらいが適当と言えるでしょう。

一貫性バイアスの注意点|過去のイメージが引っ張られる

一貫性バイアスが働いていると、相手の過去の態度や行動によって形成されているイメージのまま、現在の相手を認識したり評価したりしてしまっています。

例えば、前回反応が良くなかった営業先であったとしても、次回営業に行くまでの間に相手の状況が変わっていて、次行けば反応が良いかもしれません。

ところが一貫性バイアスによって、無意識的に「前回ダメだったから、今回も反応は悪いだろう」と思い込んでしまい、消極的になってしまうのです。

もし、一貫性バイアスの存在を知っていれば、「前回はダメだったけれど、今回は状況が違うから…」と現実をしっかりと検証して行動をとることができたはずです。

一貫性バイアスはそれ自体をなくすことはできませんが、意識して自覚することで、思い込みを修正して適切な行動をとることができます。

「一貫性バイアス」は、脳が勝手に省エネして現実の検証を怠けてしまっている状態なので、自分にとって大事な場面や相手に臨む際には、しっかりと現実の検証を行うよう習慣づけておくことが大切です。

一貫性バイアスを防ぐための2ポイント

一貫性バイアスを意識的に防ぐためには、いくつかの方法があります。

ではそれぞれ解説していきます。

ものごとを批判的に考える

一貫性バイアスに陥るのを防ぐためには、「なにごとも疑ってかかる」ということが重要です。 例えば以下のように批判的に考えましょう。

  • 自分の思っていることは客観的なのか
  • まわりの意見は公平で公正か
  • 情報は出どころは正しいものなのか
  • 反対意見にはどのようなものがあるのか

このように、ものごとをさまざまな角度から複眼的にとらえることができれば、一貫性バイアスに陥りにくくなります。

ただし、根っこから一貫性バイアスに両足を突っ込んでしまっている人は、そもそもこのクリティカルシンキング(批判的思考)を持てないので、注意しましょう。

第三者の意見を参考にする

一貫性バイアスは自身の考えに客観性を持てなくなる心理現象なので、「第三者の意見を借りる」というのが効果あります。

例えば、自分にとって利害関係のない相手であったり、自分にとって都合の悪いこともきちんと率直に言ってくれる相手がおすすめです。

ただ、あまりに主観的だとその人が確証バイアスに囚われている可能性があるので、相談できる相手は慎重に選ぶようにしましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

一貫性バイアスとは、人の行動や言動に対して、時間的な一貫性があると思い込んでしまう認知バイアスのことを指していました。

一部良い影響はあるものの、誤った判断を招く可能性があるので、一貫性バイアスにかからないためにも、まずは注意をすることから始めましょう。

このページを読んだあなたの人生が、
より豊かなものとなることを祈っております。