発達障害|生まれつき脳の一部の発達に障害がある状態のこと(ASD、ADHD、LDの3分類がある)

この記事を書いた専門家
長谷川
長谷川
国立大学卒業後、メンタルヘルス関連の専門的心理相談業務に従事。臨床心理学関連の論文執筆歴多数(保有資格:臨床心理士、公認心理士)

発達障害とは

発達障害とは、生まれつき脳の一部の発達に障害がある状態またはその状態にある人のことを表す総称です。対人関係やコミュニケーションに苦手さがあるというイメージがあるかもしれませんが、それは発達障害の一部に過ぎません。

発達障害の特徴は脳の機能の“一部”に障害があることであり、知的能力障害(より脳のより“広範”な部分に発達の遅れが見られる)とは区別されています。人によって障害を受けている脳の機能が異なるため、日常社会生活上の困り事や症状には個別性があります。

ちなみに、日本の法律『発達障害者支援法』においては、下記の通り定義されています。

「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの

引用元:文部科学省『発達障害者支援法』

発達障害の3分類

現在は下記の3つに分類されています。

  1. ASD(自閉症スペクトラム障害)
    対人コミュニケーションに難あり
    感覚過敏や鈍麻が見られる傾向がある
  2. ADHD(注意欠如・多動障害)
    注意力が持続しない
    感情コントロールができない
  3. LD(限局性学習障害)
    特定の「読み・書き・計算」ができない

ただ、同じ人にいくつかのタイプの発達障害が併存していることも多く、その境界はあいまいです。

ここからは一つひとつ見ていきましょう。

ASD(自閉症スペクトラム障害)とは

自閉スペクトラム障害は遺伝的な要因が複雑に関与している生来的な脳機能障害です。有病率は人口の1%に及ぶとの報告もあります。

知的能力障害があるかどうかと自閉症スペクトラム障害であるかどうかは、直接的には関係ありません。そのため、知的能力障害は重いけれども自閉症スペクトラム障害は軽度、知的能力障害はないけれども自閉症スペクトラム障害は重度、というように、人によって状態像は様々です。

対人コミュニケーションで兆候が現れやすい

代表的な障害は、対人コミュニケーションに現れます。早ければ乳児期から、目線が合わない、他者と関心を共有できないなど、自閉症スペクトラム障害の兆候が現れます。

他者と感情を共有する、相手の立場になって考える、見通しをもって行動することが苦手です。また、決まったパターンや同じ行動の繰り返しを好む傾向もあります。

感覚過敏や鈍麻が見られる場合もある

また、一般的な人よりも感覚が過敏過ぎたり鈍かったりするため、周囲のちょっとした雑音が大きな音に聞こえたり、肌触りで衣服を選り好みしたり、気温の変化に気づきにくかったりします。

重症例では、会話が成り立たず、相手の言ったことをそのまま繰り返す「反響言語(オウム返し)」なども見られます。

ADHD(注意欠如・多動障害)とは

ADHDの有病率は、小学生程度で5%前後と考えられています。ADHDを持つ人の脳を調べると、前頭葉や線条体と呼ばれる脳の部位において、ドーパミンという神経伝達物質の動きが鈍くなっていたとうい報告があります。原因は未解明ですが、遺伝的要因も関連していると考えられています。

診断名の通り、注意持続が苦手で、多動性や衝動性があることが特徴的です。これらの症状は通常、7歳以前に出現し始めます。症状の強弱は人によって異なり下記の3パターンに分けられます。

  1. 不注意優勢型
  2. 多動・衝動性優性型
  3. 混合型

不注意優勢型は女児に多く、多動・衝動性型は男児に多い、という報告もあります。多動性と衝動性は小学校高学年くらいから次第に落ち着くことがありますが、不注意については成人後も落ち着きにくい傾向です。

LD(学習障害)とは

LD(学習障害)は、知的能力障害がなく、適切な教育環境や教育歴と本人の努力や意欲があるにもかかわらず、書字能力、読字能力、計算力など、特定の学習や学業的技能に困難がある、特異的な発達障害のことです(別名:発達性ディスレクシア)

ちなみに日本語では「ひらがな」「カタカナ」よりも「漢字」の学習障害の有病率が高いと考えられています。日本における有病率の明確なデータは報告されていませんが、英語圏(アルファベット)での有病率は10%前後と報告されています。

そして、書字能力に困難さがある場合には、読字能力にも困難さをもっている場合が多いと言われています。また、読み書きと計算が苦手というように、複数の能力に困難さをあわせてもっている場合もありますが、単一の能力に困難さがある場合もあり、個人ごとに多様です。

発達障害の診断基準(DSM-5)

ここでは発達障害の診断基準について、DSM-5を意訳しつつ、引用していきます。

  1. ASD(自閉症スペクトラム障害)の診断基準
  2. ADHD(注意欠如・多動障害)の診断基準
  3. LD(限局性学習障害)の診断基準
DSM-5とは

DSM-5とは、アメリカ精神医学会発刊の『Diagnosis and Statics Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)』の第5刷を略したものです。

未知の部分が多い精神疾患や精神障害について、ほとんどの精神科医が、この「DSM-5」をスタンダードとして、診療や研究にあたっています。

余談ですが、DSM-5にはいくつかの似通った精神疾患が章ごとにまとめられており、発達障害は、第1章「神経発達症群/神経発達障害群(Neurodevelopmental Disorders)」に含まれています。

この第1章には、発達障害以外に、全般的な知能発達の遅れを指す「知的能力障害/知的発達障害(Intellectual Disability/Intellectual Developmental Disorder)」、言語の習得に持続的な困難がある「言語症/言語障害(Language Disorder)」、などが含まれています。

ASD(自閉症スペクトラム障害)の診断基準

DSM-5に記載されているASDの診断基準を、一部意訳して引用すると下記のようになります。

A. 社会的コミュニケーションおよび対人相互作用において、次の(1)~(3)すべてにあてはまるような苦手さが複数の場面で持続的にある

(1)他者との距離感が異常に近い、会話のやりとりをしていても話題がずれる、他者と興味や感情を共有できないなどのような、相互の対人的―情緒的関係に関する苦手さ

(2)他者と視線を合わせられない、身ぶり手ぶりが意味する内容を受け取れない、その場や感情に合った表情をつくれないなどのような、対人相互場面における非言語的コミュニケーション行動に関する苦手さ

(3)場面や状況に合わせて行動できない、他者とイマジネーションや世界観を共有できない、友人をつくったり仲間と過ごしたりすることに興味を抱けないなどのような、人間関係を維持発展させたり理解したりすることに関する苦手さ

B. 次の(1)~(4)のうち2つ以上にあてはまるような、行動、興味、活動における範囲の限定や決まり切ったパターンの繰り返しが見られる

(1)身体の運動、ものの使用、会話について、おもちゃを一列に並べる、意味の感じられない単調な行動を繰り返す、相手の言葉をオウム返しするなどのような、常同的または反復的な行動が見られる

(2)小さな変化に対する極端な苦痛、変化や移行することへの困難さ、思考の堅さ、儀式的な決まり切ったあいさつ、毎日決まった道順での移動などのような、定型への固執や頑ななこだわりが見られる

(3)一般的ではない対象やものごとに帯する強い執着や没頭、極度に狭い範囲に限定された趣味、好きなことや趣味への固執などのような、好きなことや趣味に対する異常なほどの執着

(4)痛みや温度への無関心、特定の音への極端な敏感さなどのような、極端な感覚刺激への敏感さまたは鈍感さ、あるいは、光や動きを目で追うことへの熱中などのような並外れた興味が見られる

C. 基準A基準Bのような症状が幼少期から存在する

D. 基準A基準Bのような症状は、社会生活・職業生活などの日常生活に顕著な支障を与えている

E. 基準A基準Bのような症状は、知的能力障害や全般的な発達の遅れとしては説明できない

ADHD(注意欠如・多動性障害)の診断基準(DSM-5)

DSM-5に記載されているADHDの診断基準を、一部意訳して引用すると下記のようになります。

A. 以下の(1)(2)に特徴づけられるような不注意、多動性―衝動性が持続してあり、日常社会生活や発達の妨げになっている

(1)以下の(a)~(i)のうち6つ以上にあてはまる不注意の症状が、6ヶ月以上にわたって持続的に見られる

(a)学業や仕事、その他の活動中に、綿密に注意することができなかったり不注意による間違いを起こしたりすることで、細部を見過ごす、見逃す、作業が不正確などのようなことがある
(b)与えられた課題や遊びの活動中に、しばしば注意を持続することが困難である
(c)直接話しかけられたときに、話しかけられていることに注意を向けることができず、何か別のものに気を取られていたりうわの空であったりするように見える
(d)しばしば与えられた指示に従うことができなかったり、脱線してしまったりしてしまうために、学業や用事、職場での役割や責務をやり遂げることができない
(e)課題や活動を順序立てて行うことができず、資料や持ち物を整理しておくことができなかったり、作業が乱雑でまとまりを失ったり、時間管理ができないために締め切りを守れなかったりする
(f)持続して精神力を発揮しなければならないような課題に従事することを避けたり嫌々行ったりする
(g)課題や活動に必要なものをしばしばなくしてしまう
(h)しばしば外的な刺激に気が散ってしまう
(i)日々の活動でしばしば忘れっぽい

(2)以下の(a)~(i)のうち6つ以上にあてはまる多動性および衝動性の症状が、6ヶ月以上にわたって持続的に見られる

(a)手足をそわそわ動かしたり、トントン叩いたり、いすの上でもじもじしたりする
(b)席についていることが求められる場面で席を離れることがよくある
(c)不適切な状況で走り回ったり高いところに登ったりすることがよくある
(d)静かに遊んだり余暇活動についたりできない
(e)じっとしていることができず、何かに動かされているように行動したり落ち着かなかったりすることがよくある
(f)しゃべりすぎてしまうことがよくある
(g)質問が終わる前に出し抜いて答え始めたり、相手の話を遮って話し始めたりしてしまうことがよくある
(h)列に並んでいるときなどに自分の順番を待てないことがよくある
(i)他人の邪魔をしたり、ものを横取りしたり、他者のものを勝手に使ったりして、自分の欲求を抑えられないことがよくある

B. 基準Aのような症状は、12歳になる前から存在していた

C. 基準Aのような症状は、家庭、学校、職場、友人といるときなど、複数の生活場面にわたって生じている

D. 基準Aのような症状は、社会生活・職業生活などの日常生活に顕著な支障を与えている

E. 基準Aのような症状は、他の精神疾患としては説明できない

LD(限局性学習障害)の診断基準

A. 学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難に対して適切な介入が行われているにもかかわらず、次の(1)~(5)のうち1つ以上にあてはまるような困難が6ヶ月以上続いている

(1)単語を間違って読む、ゆっくりとためらいながら音読する、うまく発音できないなどのように、文字を読む際、不的確であったり、速度が遅かったりする

(2)読んでいるものの意味を理解することに困難があり、文脈のつながりを理解できなかったり、文章の内容理解が極めて浅かったりする

(3)文字をつづる際に、脱字が多かったり、文字の順番を入れ替えてしまったりする

(4)文章を書く際に文法や句読点の使い方をたくさん間違える、段落のまとめ方が極めて不自然になる、文字にしようとすると自分の考えや思考があいまいになるなどのような、文字として書き表すことに関する困難がある

(5)数字や数の大小がわからない、指を折りながらではないと足し算がわからない、簡単な計算をしようとしても途中でやり方が分からなくなってしまうなどのような、数の概念や計算に関することの習得の困難さがある

(6)数学的な概念が理解できない、数学的な公式や方程式を扱うことができないないなどのような、数学的推論に関する困難さがある

B. 基準Aのような学習あるいは学業的技能の困難さは、本人の年齢や知的発達能力から期待される能力よりも著しく低く、あるいは社会生活・職業生活などの日常生活に顕著な支障を与えている

C. 基準Aのような学習あるいは学業的技能の困難さは、学齢期に始まっている

D. 基準Aのような学習あるいは学業的技能の困難さは、知的能力障害や他の精神疾患、言語全体の習熟度不足(外国人、帰国子女など)、不適切な学習環境などによっては説明されない

発達障害への代表的な対応(療育・環境調整)

発達障害は生まれつきのものであるため、根本的な治療法はありません。

ただし、元々生害されている能力自体を伸ばすことはできなくても、代替する能力を伸ばしたり、専門的かかわり(療育)によって発達を最大限に促進したりすることで、日常社会生活上の適応力を向上させていくことが可能です。

  1. ASD(自閉症スペクトラム障害)への療育
  2. ADHD(注意欠如・多動性障害)への療育
  3. LD(限局性学習障害)への教育的支援

それぞれ順番に説明していきます。

ASD(自閉症スペクトラム障害)への療育

自閉症スペクトラム障害のある子どもによく見られる困難さに対しては、対処方法や有効な手がかりの与え方がある程度わかっています。

周囲からの刺激が少ない個別〜小集団での療育

自閉症スペクトラム障害のある子どもは、周囲からの刺激が多すぎることで頭が混乱したりパニックになったりして、適切な発達習得機会を逃してしまうことがあります。

そこで、個別療育や小さな集団での療育を受け、場面場面での適切な行動の仕方や、感情コントロール(気持ちのクールダウン)の方法、人との接し方などについて学ぶことが有効です。

小さな集団のなかで過ごす経験を積み重ねることで、新しい場面や状況に接したときに感じる不安が減り、社会の中で過ごしていく力が伸びていきます。

イラストや文字を使ったコミュニケーションによる環境調整

また代表的なのは、言葉によるコミュニケーション(耳から入る情報を使ったコミュニケーション)だけではなく、イラストや文字を使ったコミュニケーション(目から入る情報を使ったコミュニケーション)を手がかりにする方法です。

見通しがつきやすくなるように、これからやることのスケジュールをあらかじめ視覚化して伝えておくことも有効です。

こうした対処や手がかりは周囲の大人が状況を整えてあげる必要があります。(「環境調整」と呼ばれているものです。)

ASD(自閉症スペクトラム障害)への薬物療法

元々の困難さ自体を治療することはできませんが、睡眠―覚醒障害や不安の高さ、パニックなどの周辺症状に対しては、その症状に応じた薬物療法が行われることがあります。

ただ、副作用などの懸念があるため、小児期での使用はできるだけ避け、思春期以降も環境調整などを図った上で必要な最低限の服薬に抑えることが好ましいと言われています。

ASD(自閉症スペクトラム障害)への行動療法

自閉症スペクトラム障害をもつ場合、社会的場面において適切な行動を取ったり、相手の気持ちを鑑みて自分の行動を調整したりすることが苦手です。

これらを日常社会生活のなかで自ら学習していくことが難しいため、専門家と一緒に特定の場面を取り上げ、自分の適切な行動は何かを学習することが有効です。これを、ソーシャルスキルトレーニング(SST:Social Skill Training)と言います。行動療法の一種です。

ADHD(注意欠如・多動性障害)への療育

ADHDへの環境調整

ADHDの場合、周囲の外界からの刺激に気を取られ、本来注意注目すべてところに注意を向けられない特性があります。

そのため、不必要な周囲の刺激を減らす環境調整が必要となります。たとえば近年、小学校では、黒板の周囲にものを置いたり掲示をしたりしないように配慮しています。

黒板の横に棚や本日の時間割などがある場合、授業中は、布をかけるなどして、黒板以外の情報を意図的に排除させています。このように、机の上に必要なもの以外は置かない、周囲の雑音が入らない工夫をする、一度に指示する内容を減らす、などの工夫が有効です。

また、注意の持続が難しいため、適度に休憩を挟むことが大切です。同じ60分の作業を行う場合、60分やって20分休憩するよりも、15分やったら5分休憩を4回くりかえす方が、本来の能力を発揮させることができます。

こうした工夫は本人だけでは難しいため、まずは周囲の大人がADHDに対する知識や理解を深め、こうした工夫を習慣化させてあげることが必要になります。

ADHDに帯する薬物療法

ADHDでは、脳内の神経伝達物質である、ノルアドレナリンやドーパミンの働きが鈍いことで行動や感情の調整がうまくいっていないと考えられています。

そのため、脳を刺激する薬を用い、ノルアドレナリンやドーパミンの不足を解消させる薬物療法が有効です。子どものADHDでは、アトモキセチン(ストラテラなど)や塩酸メチルフェニデート(コンサータ)、グアンファシン塩酸塩徐放錠(インチュニブ)という薬が主に用いられます。

いずれの薬も副作用などが懸念されるため、医師の管理の下、適切に服薬していくことが必要です。特にコンサータは、処方できる医師が限定されており、ADHDの診療ができる病院を選んで受診することが必須となります。

日本の場合、これらの処方薬は、子どものADHD、あるいは子ども時代から続けて処方を受けていた大人に対しての処方が認められています。大人になってからADHDを自覚した場合、初診となる場合には、医師によく相談する必要があります。

LD(限局性学習障害)への教育的支援

特定の学習や学業的技能の習得や使用に困難があるため、何の能力に困難があるのかを検査などによってしっかりと見定め、それに合った教育的支援を行うことが不可欠です。

読むことが苦手な場合

読むことが苦手な場合、文字を大きくする、指でなぞりながら読むようにする、文章を読むときには一文だけ目に入るようにスリットの入った下敷き状のものを使用する、などの工夫ができます。

書くことが苦手な場合

書くことが苦手な場合は、大きなマス目の入ったノートを使う、一文の文章を短くするなどの工夫が有効です。

計算が苦手な場合

計算が苦手な場合は、絵や図を使って理解をうながす、指折りしながら計算することを認めるなどの工夫や配慮が必要となります。

こうした学習や学業的技能に関する困難さは、本人の怠けと誤解されがちです。

やりたくないのではなく、やりたくでもできない”状況であることを周囲がよく理解し、本人にあった対処方法や必要な配慮を行うことで、学習すること自体の意欲が損なわれないようにすることが非常に大切です。

今は統合されて用いられなくなった発達障害もある

発達障害の一部として、下記の言葉を聞いたことがあるかもしれません。ただいずれも、現在の「ASD(自閉症スペクトラム障害)」にまとめられ、今はほとんど用いられなくなっています

  • 自閉症(Autism)
  • アスペルガー症候群(Asperger Syndrome)
  • 広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)

簡単に説明していきます。

自閉症(Autism)

「自閉症」は、イギリスの児童精神科医ローナ・ウイングが提唱した最初に概念化したもので、対人関係能力、コミュニケーション能力、想像力、言語能力などの質的偏り常同行動などが主な特徴とされていました。また、多くが知的能力の障害を伴っていることが特徴です。

アスペルガー症候群(Asperger Syndrome)

「アスペルガー症候群」は、自閉症のうち、言語能力と知的障害のない一群を指す言葉として用いられ始めたものです。

広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)

「広汎性発達障害」は、「自閉症」、「アスペルガー症候群」、重篤なチックを特徴とする「トゥレット症候群(Tourette’s Syndrome)」、2~3歳頃まで問題なく発達していた子どもが急に能力を喪失していって自閉症のような状態になる「小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorder,)」、「特定不能の広汎性発達障害」の総称でした。

最後に

ここまで発達障害に関して解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

再掲すると発達障害とは、生まれつき脳の一部の発達に障害がある状態またはその状態にある人のことを表す総称です。対人関係やコミュニケーションに苦手さがあるというイメージがあるかもしれませんが、それは発達障害の一部に過ぎません。

発達障害の特徴は脳の機能の“一部”に障害があることであり、知的能力障害(より脳のより“広範”な部分に発達の遅れが見られる)とは区別されています。人によって障害を受けている脳の機能が異なるため、日常社会生活上の困り事や症状には個別性があります。

このページを読んだあなたの人生がより豊かになることを祈っております。