学習ドリルの語源の「ドリル学習」とは?反復することで知識の定着度があがる

ドリル学習とは、反復してものごとを覚えていく学習法のことで、ここでいうドリル(drill)とは、訓練・演習・教練等のことを指しています。

日本では、算数ドリルや漢字ドリルをはじめとした「学習ドリル」が知れ渡っているので、馴染みがあるのではないでしょうか。

このように「ドリル学習」は、一定の法則性がある型を、繰り返しこなすことで、知識の効率的な定着を促す効果がある、として教育の現場でよく利用されています。

ではさらに詳しく説明していきます。

ドリル学習は教育心理学者ソーンダイクが考案

ドリル学習は、ソーンダイクという一人の教育心理学者によって考案されました。

ソーンダイクが行なった有名な実験に、猫の問題箱があります。

猫の問題箱とは

問題箱とは、ドアが1つと、そのドアを開けることのできる紐が設置された箱のことで、ドアの外には餌を起きます。

そして、その中に猫をいれると、猫はドアを開けるために様々な行動を起こします。

そのうち猫は、紐を引っ張るという特定の行動を学習し、問題箱に入るとすぐにドアから出るようになります。

これが猫の問題箱の簡単な実験内容です。

ソーンダイクは、人間もこの猫の問題箱と同じように試行錯誤しながら学習をすることで、
より効果的に物事を学べると考えました。

こうして生まれたのがドリル学習なのです。

ひたすら練習を積むことで記憶の定着率が上がる

反復して練習を沢山積むことで学習が定着しやすく、記憶に残りやすいとされています。

読むだけ(聞くだけ)の学習定着率は5%』という有名な調査があるように、インプットだけでは学習効果が薄いとされておりますが、ドリル学習によって繰り返し『書く・話す』のアウトプットをすることで、身体に覚えさせることができるのです。

実際に、脳科学的にも、『書く・話す』といった運動神経を使った記憶は「運動性記憶」と呼ばれ、一度覚えたら忘れにくい特徴もあることが分かっています。

記憶への定着後は定期的に復習をしよう

2013年に行われた、カナダのウォータールー大学の実験によると、

1度学習したあと、長期的にその記憶を維持するためには、24時間以内に10分間の復習を、そして7日後に5分間の学習を、そして30日以内に2~4分の学習をするのが効果的だと実証されています。

そのため、ドリル学習によって効率的に一度覚えたら、翌日、1週間後、1ヶ月後と繰り返し学習することが長期的な記憶の定着に役立つでしょう。

ドリル学習が適しているのは基礎定着

ちなみに、ドリル学習が役立つのは、

  • 数式などの初歩的なもの
  • 漢字や単語などの暗記もの
  • なにから始めればいいのかわからない学習の初期段階

など、基礎的なことを学習・定着させたいときです。

子供はもちろんのこと、大人でも新しいことを学ぶ際に、学習の土台をつくる手段として適
しています。

ドリル学習の効果を上げるためには

ドリル学習の効果を上げるためには、頑張って学習した後に良い報酬を与えるのが効果的でしょう。

例えば、 子供が漢字を何度も練習してかけるようになった時には沢山褒めてあげたり、よくできた時 にはシールを貼ってあげるなどすると、意欲が向上します。

しかし、注意しなくてはいけないのが、心理学で「アンダーマイニング効果」と呼ばれるもので、外的な報酬は、短期的には意欲が向上するものの、長期的には意欲低下を招くという現象です。

つまり、もともとは知識が増える過程が楽しいはずなのに、外的報酬を与えることによって、いずれは報酬がないと勉強をしなくなってしまうというのです。

特に、何度も反復をしているうちに飽きがくる可能性もあるので、目標の設定や、教材選び、学習環境な どに気をつけることも学習の効果を向上させるうえで大切でしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

ドリル学習とは、反復してものごとを覚えていく学習法のことで、ここでいうドリル(drill)とは、訓練・演習・教練等のことです。

一定の法則性がある型を、繰り返しこなすことで、知識や技術の効率的な定着を促す効果があるので、ぜひ実践してみましょう。

このページを読んだあなたの人生が、
より豊かなものとなることを祈っております。