非認知能力とは|数値化できない人生を豊かにする能力を知ろう

非認知能力とは、学力テストといった数値で測定できないが、人生を豊かにするために必要な能力のことで、以下の3要素から成り立っています。

  1. 忍耐力
    最後までやり抜こうとする能力
  2. 社会性
    人とうまくコミュニケーションを行うことのできる能力
  3. 感情コントロール
    自分の気持ちを適度に抑え、アウトプットできる能力

この非認知能力は、幼少期(3~5歳)に確定し、大人になってからの幸せや経済的な安定に直結するとされているので、教育分野で非常に注目を浴びています。

では早速、非認知能力について見ていきましょう。

非認知能力は、社会的成功を呼び込む素質

非認知能力は、将来的な収入を高め、社会的成功を呼び込む素質として知られています。

  1. 忍耐力
    最後までやり抜こうとする能力
  2. 社会性
    人とうまくコミュニケーションを行うことのできる能力
  3. 感情コントロール力
    自分の気持ちを適度に抑え、アウトプットできる能力

いわゆる、協調性やコミュニケーション能力のことを指しており、学力テストやIQといった形で測定できる「認知能力」とは違って、測定することができないことが特徴です。

そして、非認知能力が高くなると認知能力も比例して高くなるので、幼い子供に早期から幼児教育を施すことは、将来の人生を左右するのです。

実際、リクルートワークス研究所の調査幼少期の家庭環境、非認知能力が学歴、雇用形態、賃金に与える影響によっても、高い非認知能力が育まれた人は相対的に収入が高くなる、すなわち社会的に成功していることが明らかにされています。

非認知能力の形成は3~5歳までの幼児期に作られる

ノーベル賞を獲得した経済学者のジェームズ・ヘックマン教授によると、非認知能力は、5歳までに決まってしまうとされていますが、

日本の教育学者であり、東京大学名誉教授の汐見稔幸教授によると、この非認知能力を形成する土台は3歳までに作られるとされています。

なお、非認知能力が幼い頃に形成される理由は、脳科学として解明はされていないものの、生命を維持し、身の危険を察知する、いわば「生きる力」であるからこその必然とされています。

いずれにせよ幼児教育において重要視されるようになり、平成30年4月施行の『幼稚園教育要領』『保育所保育指針』において、保育・教育方針の一貫として盛り込まれるようになりました。

非認知能力に関する研究

1972年、「アベセダリアン・プロジェクト」という長期的な研究がアメリカで行われました。

なお、「アベセダリアン(abecedarian)」は「初歩の」「なにも知らない」という意味を持つ英単語です。

この研究では、貧困家庭に生まれたアフリカ系アメリカ人の子供約100人を2つに分け、一方のグループにだけ非認知能力を高めるような教育を行いました。

その結果、幼少期にそのような教育体験を受けた子供たちは、犯罪に手を染める人の数も少なかっただけでなく、

学校の出席率や大学への進学率が高く、専門スキルの必要な仕事(すなわち収入の高い仕事)に就いた確率が多かった、とされているのです。

なお、教育内容までは明らかにされていないものの、やり抜く力や協調性、自分の感情を調整する能力といった非認知能力が習得されたためと考えられています。

非認知能力を伸ばす2つの方法

非認知能力を伸ばすための教科書や学習塾はほとんどないので、各家庭で実行していく必要があるでしょう。

例えば、以下のような方法があります。

では、見ていきましょう。

基本的信頼感を与えること

基本的信頼感とは、自分が他者をどれだけ信頼できるかという心理概念であり、例えば、以下のようなコミュニケーションによって、高めることができるとされています。

  • 子供が転んで泣いたら
    「だいじょうぶだよ、すぐ痛くなくなるよ」
  • 手伝いをしてくれたら
    「ありがとう、ママはうれしい」
  • なにかできるようになったら
    「すごいねえ!よくできたねえ!」

これらの反応によって子供は基本的信頼を持つようになり、基本的信頼感が土台となって非認知能力が伸びていくとされています。

例えば、痛くても我慢する、喜んでもらえたら奉仕的になる、できることが増えたらチャレンジ精神や意欲の向上につながる、などです。

特に、1人で生きていくことができない子供は、誰か(=両親)に頼りながら生きていくので、その育ててくれる相手(=両親)からの影響を強く受けることになるでしょう。

それだけ、幼少期に愛情を注いでくれる両親の存在は重要なのです。

子供の好奇心の芽を摘まないこと

非認知能力を高めるためには、子供の好奇心の芽を摘まないように、「子供のやっていることに対して寛容になる」ということが重要です。

実際、子供は物心がつき始めると、ありとあらゆるイタズラをし始めるものです。

  • 壁に落書きをしたり
  • トイレットペーパーで遊んだり
  • 観葉植物の植木鉢をひっくり返したり
  • ゲーム機にボンドを垂れ流してみたり
  • コンセントに硬貨を挟んでショートさせたり

など、好奇心から数々のいたずらをするものですが、危険性を伴うものであったり、他人に迷惑をかけるようなものでなければ、咎めないでいてあげることが重要です。

また、年齢によっては「なんで?どうして?」と様々なことに疑問を持ち始めるでしょうが、この場合も邪険にせず、子供の好奇心をどんどん育ててあげてください。

もし大人が非認知能力を伸ばすなら

大人になってから非認知能力をを伸ばすのはほぼ不可能ですが、参考までに2つの方法を紹介します。

では見ていきましょう。

① ほめ日記をつける

ほめ日記は、NPO法人自己尊重プラクティス協会代表理事である手塚千砂子氏が発刊したもので、特にネガティブな自分を変えたいというときに一定の効果がある方法です。

② 認知行動療法を試してみる

認知行動療法は、人間がある出来事に遭遇したときのプロセス「認知→感情→行動」において、考え方や行動を変えていくことで、気分や感情を良い方向へと促す方法です。

これは、心理療法のひとつではありますが、メンタルヘルスに留まらず「自分の考え方のクセを直したい」ときにも有効なので、あわせて参考にしてみてください。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

非認知能力とは、IQや学力テストでは測定できない能力のことで、以下の3要素から成り立っています。

  1. 忍耐力
    最後までやり抜こうとする能力
  2. 社会性
    人とうまくコミュニケーションを行うことのできる能力
  3. 感情コントロール
    自分の気持ちを適度に抑え、アウトプットできる能力

この非認知能力は、幼少期(3~5歳)に確定し、大人になってからの幸せや経済的な安定に直結するとされ、教育分野で非常に注目を浴びている能力です。

このページを読んだあなたの人生が、
より豊かなものとなることを祈っております。