同調効果(同調現象)とは?流行や行列に倣いたくなる心理現象を日常事例元に解説!

同調効果(同調現象)とは、自分の考えや意見を周囲に合わせたり、同じような行動をとったりするという社会心理学の用語です。

そして、この同調効果は、非常に強い効力があると知られており、例え周囲の意見が間違えているとわかっている場合でも、それに倣ってしまうのです。

では早速、同調効果について説明していきます。

同調効果の実証実験(ソロモン・アッシュ)

同調現象は、ポーランド出身・アメリカで活動した社会心理学者であるソロモン・アッシュ(Solomon Eliot Asch)が1951年に検証のための実験を行っています。

アッシュによる同調効果の実験手順

(1) まず、8人の人間を実験室に集める

このうち被験者は1人のみで、残り7人はアッシュの指示に合わせて行動する「サクラ」です。

(2) 参加者8人に2つの図(AとB)を見せる

  • Aの図
    線が1本だけ描かれている
  • Bの図
    長さのそれぞれ異なる3本線が描かれている

(3) Aの線と長さが同じ線を、Bの3本から選ばせる

「Bに描かれている3本線のうち、Aの長さと同じもの」はどれかを参加者1人ひとりに答えさせました。

なお、Bに描かれた線の長さははっきりと異なるものであり、あきらかに正解のわかるものでした。

(4) サクラは全員「不正解の回答」をする

アッシュはこのような質問を18種類用意し、そのうち12種類の質問においてサクラ全員に不正解の回答をさせることで、被験者の回答がどのように変化するかを調査したのです。

アッシュによる同調効果の実験結果

実験の結果は以下のとおりでした。

  • サクラ全員が正解な回答をした設問(18問中6問)については、被験者も堂々と正解を答えました。
  • しかし、残りの12問においてサクラ全員が不正解を答えると、被験者も不正解を答えるという傾向が現れました。
  • すべての質問に正解を答え続けた被験者は全体のおよそ25%でした。

なんと被験者の75%が、周囲のサクラに同調し、明らかに不正解だとわかっていながらも、一度以上は間違えた回答を選んでしまったのです。

ここからわかるように、人間は、自分ひとりでは正確に判断し行動ができる場合であっても、集団の中にいることで間違った行動をしてしまうケースがあります。

同調現象が起きることで、「全体」を尊重する意見を優先してしまうようになり、集団はこうして、良くも悪くも「結束」していくわけです。

特に、日本では同調現象が起きやすい

この同調現象は、日本では特に起こりやすいとされています。

もともと外部との交流が閉ざされた島国であり、新しい価値観が受け入れられにくい村文化が続いていることからも容易に想像はつくでしょう。

実際、日本の諺で「長いものには巻かれろ」「出る杭は打たれる」とあるように、個性より和を重んじる傾向があり、人と違った言動がしばしば否定的に見られるのです。

また、数年前には「KY」と呼ばれる、「空気を読め」という言葉も流行りました。

空気を読むとは、「その場の雰囲気に応じて状況を察する」という意味で、やはり、そこでは暗黙の了解で「適切な」態度や言動が求められます。

同調効果の日常事例

同調効果は、日常においてポジティブな効果だけでなく、ネガティブな効果としても、集団に現れやすい心理効果です。

では、それぞれ見ていきましょう。

まわりが買っているから自分も買う

まわりが買っているから自分も買うという「流行」も同調効果の一つです。

別名、行動心理学の用語では「バンドワゴン効果」とも呼ばれており、周囲の支持が多ければ多いほど、その支持がさらに強固で絶対的なものに変わっていくのです。

そのため、マーケティング分野でも「クチコミ」や「レビュー」、「利用者の体験談」といった形で、同調効果(バンドワゴン効果)は用いられています。

また、キャッチコピーにおける「利用者業界No.1」「満足度98%」といった、大多数が支持するような煽り文句も、同調効果(バンドワゴン効果)に期待したものです。

行列のあるラーメン屋さんに並ぶ

これは人によるでしょうが、行列ができているお店の料理や商品は、どれだけ並んででも入手したいという人が一定数いるものです。

実際、フードコートや夏祭りで行列ができていると、「きっと美味しいんだろうな」と思い、とりあえず並んだしまった経験がある方は多いことでしょう。

こちらもバンドワゴン効果が大きく働いたもので、「みんなが並んでるんだから、いい商品に違いない」と思い込んでしまうのです。

いじめにおける同調圧力

社会問題にもなっている「いじめ」も同調現象のひとつの結果です。

同調現象による「いじめ」が発生すると、「確かにあいつは気に食わない」という同調を強める意見ばかりが支持され、「いじめはやめよう」という批判は歓迎されなくなります。

そして批判した人がいても、理論的に反論されることはなく、その人までいじめの対象となるか、「同調圧力」によって「沈黙を強制」されることとなるのが大半です。

また、「いじめはよくない、止めなきゃ」と思っても、まわりが見て見ぬふりをしていると、それに同調して批判の声を上げることすらやめてしまいます。

それがさらなる同調を生み、客観的には全員がいじめに加担しているようになってしまうのです(これは「循環ダイナミクス」と呼ばれます)。

ちなみにこのような場合、外部からの批判を遮断したり、反対意見を述べそうな人物の影響力を下げようとする「自薦の用心棒」が現れるのも問題とされています。

コロナショックの自粛警察

自粛警察とは、「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」感染拡大に伴って、外出の自粛を求める「緊急事態宣言」が発令され、この自粛を他人に強要する人や言動を指す言葉です。

緊急事態宣言によって、ほとんどの国民が外出自粛をすることになり、その「みんな」の意見を指示する意見のみが歓迎され、反論は厳しく攻撃されます。

実際、行動レベルのみならず、ときに人格否定にまで至っている場面が、Twitterなどで多く見かけられていました。

同調効果×リスキーシフトには気をつけよう

同調効果と関連して「リスキーシフト」には気をつけるようにしましょう。

リスキーシフトとは、1人だと慎重で理性的な行動を取れる人間が、集団の「極端な言動が注目されやすくなる」という特性によって、リスクの高い意思決定に加担してしまうという心理です。

例えば、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉がまさにリスキーシフトの代表例で、一人が極端な言動をすると、全員でそれに倣ってしまう傾向があるのです。

また、SNSにおける誹謗中傷も「同調効果×リスキーシフト」が引き起こす影響といえるでしょう。

実際、個人では「誹謗中傷はいけない」とわかっていても、それが集団になって、それを過激な発言で加速させる人間がいると、全員が人を傷つけることを厭わなくなってしまうわけです。

そして批判した人がいても、理論的に反論されることはなく、その人まで誹謗中傷の対象となるか、「同調圧力」によって「沈黙を強制」されることとなります。

同調現象とは一定の距離は取り、あくまで合理的に行動しよう

自分の身を守るためには、冒頭で例にあげた「長いものには巻かれろ」を意識して適度に同調をしつつ、どこかで離脱することが無難であり妥当でもあるでしょう。

ただし、いじめといった同調すべきでは場面では、自分に災厄が降りかかるリスクを考慮しながらも倫理観のある振る舞いが、モラルの点で重要ではあります。

もっとも賢い振る舞いは、「同調する価値のある人」に従うことです。

倫理の面、安全の面、もろもろを考慮しつつ、自分の信念に類似している人の近くにいることが、自己矛盾も起きず、ストレスも少なくいられるでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

同調効果とは、自分の意見を周囲に合わせたり、同じ行動をとったりする心理であり、例え周囲が間違えているとわかっていても、それに倣ってしまうほどの影響力があります。

そのため、日常においてポジティブな効果だけでなく、ネガティブな効果としても集団に現れやすいため、なるべく一定の距離を取り、思考停止せずに俯瞰するようにしましょう。

このページを読んだあなたの人生が、
より豊かなものとなることを祈っております。

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