就労移行支援とは|メリットデメリット・選び方からおすすめ事業所までを網羅的に解説

「就労移行支援ってなんだろう?」と気になりますよね。普段の生活では関わる機会が少ないので、イメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、就労移行支援の全体像をわかりやすく説明します。メリットデメリットや注意点、選び方にお勧め事業所まで、網羅的に理解できますよ。

この記事を書いた専門家
佐々木
佐々木
東証プライム上場企業の管理職。適応障害とうつ病で二度の休職経験あり。ASD傾向あり。企業側での新卒・中途採用の経験をもとに記事を執筆

就労移行支援とは

就労移行支援は「一般企業に就職すること」を目的に、「働くための準備(生活リズムの安定化、障害特性の理解と対策、スキル習得)」を行う場所です。

佐々木
言い換えれば、障害のある方が就職するための“学校”のようなものですね!

ここでは、下記内容を解説していきます。

  1. プログラム
  2. 利用条件
  3. 利用料金
  4. 利用するまでの流れ

①プログラム

就労移行支援で受けられるプログラムには、下記のようなものがあります。

就労移行支援のプログラム
  1. 就労準備(これがメイン)
    • 生活のリズムや体調管理
    • 障害への自己理解を深める
  2. スキルアップ講座
    • 基礎スキル(コミュニケーション等)
    • 専門スキル(職業ごとの実践的訓練)
  3. 就職活動の支援
    • 書類作成や面接練習
    • 障がい者向け求人の紹介
佐々木
最近は、専門的なスキル(プログラミングやデザイン等)が学べる事業所が増えているので、興味のある仕事内容で選ぶのもアリですね!

②利用条件

障害福祉サービス受給資格を取得すれば、最長2年間利用することが可能になります。なお、受給者証は下記3条件を満たしている方が対象になります。

就労移行支援の対象者
  1. 18歳〜65歳未満の方
  2. 障害のある方(障害者手帳または、医師の診断書)
  3. 企業等での就労または開業を希望する方で、就労が可能と見込まれる方

基本的には『訓練を受ければ、就労できるようになる方』向けのサービスなので、定年を超えた65歳以上の方は対象外ですね。

③利用料金

9割以上の方は『自己負担なし(0円)』で利用していますが、昨年に『一定の世帯年収(約300万円)』がある方だと、利用料金が発生します。

概ね、下記のイメージです。

就労移行支援の料金イメージ
  • 料金が発生する方
    • 昨年の世帯年収が300万円以上
  • 無料で利用できる方
    • 生活保護を受けている
    • 昨年の世帯年収が300万円未満

※なお「世帯年収」とは、本人と配偶者が得た収入の合計です。親の扶養に入っていない限り、親の年収は換算されません。

仮に料金が発生したとしても、1日あたり500~1,200円と、心配するほど高額ではありません。具体的な金額は事業所ごとで異なるので、確認してみてください。

【表】世帯年収に応じた負担額の上限

世帯年収の目安負担額の上限
生活保護生活保護受給世帯
(~約156万円)
0円
低所得市町村民税非課税世帯
(約156~約300万円)
0円
一般1約300~約600万円9,300円/月
一般2約600万円以上37,200円/月

出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」

どんなに世帯年収が高くても、月額37,200円以上を負担することはありません

④利用するまでの流れ

下記の流れで利用できます。

利用するまでの流れ
  1. お問い合わせ
  2. 無料見学・面談
  3. 無料体験
  4. 利用申請手続き(受給者証発行)
  5. 利用開始(利用できるのは2年間まで)

ちなみに、お問合せから利用開始までは、長くても1~2ヶ月ですね。

就労移行支援のメリットとデメリット

ここでは、就労移行支援のメリットとデメリットを解説していきます。具体的には下記の通りです。

就労移行支援の“メリット”
  1. 体調、生活のリズムが安定する
  2. 障害への理解が深まり、管理しやすくなる
  3. 組織でのコミュニケーション能力が上がる
  4. 就職や、就職後の定着を支援してもらえる
  5. 職業スキルが身に付く(事業所による)
  6. 自分が働く姿を、前向きに捉えられる
  7. 障害に理解のある友人、仲間ができる

さらに詳しくメリットを見る

就労移行支援の“デメリット”
  1. 時間が拘束され、収入がない状態が続く
  2. 長期間、事業所に通い続ける必要がある
  3. 原則、交通費や食費代は自己負担となる
  4. 世帯収入によっては、利用料金がかかる

さらに詳しくデメリットを見る

ここから詳しく解説していきます。

就労移行支援を利用するメリット

ここでは就労移行支援に通うメリットについて解説していきます。具体的には下記の通りです。

どこにメリットを感じるかは、その人次第ですが、特に①②③を有益に感じる方が多いと思います。定期的に通所するので体力がつき、人と話すので、コミュニケーション経験が身につきますね。

では順番に解説していきます。

①体調、生活のリズムが安定する

体調や生活リズムを治すことは安定して働くための最重要課題といっても過言ではありません。定期的に通所して、体力をつけましょう。

なぜなら、体調や生活のリズムが安定していないと、就職できないからです。理由は下記の通り。

改善しないと就職できない理由
  • 毎朝、同じ時間に出社することが難しい
  • 体力的に不健康だと継続勤務できない
    • 疲労感で毎日の出社が続かない
    • 自律神経の乱れはメンタル不調に繋がる
  • 集中力や脳のパフォーマンスが低下する

そのため、就労移行支援で用意される利用者向けの「個別支援計画」では、生活リズムを整えるためのアドバイスや習慣作りについて、必ず言及されます

そして、定期的なモニタリング等を通して、体調のサポートをしてもらえるので、数ヶ月後には、規則正しい生活を送れるようになる方が多いですね。

佐々木
習慣化することが重要なので、生活のリズムに問題がある方は、週に2日間の通所から始め、段階的に週5日間の通所を目指すケースが多いですね。

②障害への理解が深まり、管理しやすくなる

自身の強みや弱み・障害特性の自己理解を深め、自己管理能力を向上させることも非常に重要です。

自己理解と自己管理能力がUP
  1. 自己理解が深まる
    • 自分の強みや弱みを詳しく知れる
    • 障害特性が弱みとなる状況がわかる
  2. 自己管理能力が高まる
    • 自分で対処する工夫がわかる
    • 求める配慮・環境を言語化できる

ちなみに考え方は、一般的な「問題解決」と同じです。障害特性を「問題」として再発させないためにも、障害特性と対策を明確にする必要があります

一般的な問題解決の考え方
  1. 問題と原因の因果関係を明確にする
    • 問題が再発する状況を理解する
    • 自分で対処できる/できないを分類する
  2. 再発防止策を講じる
    • 自分で対処できる点は徹底する
    • 自分で対処できない点は依頼する

上記の流れを、自発的かつ適切に行うことができれば、あなたの特性が障害となることはないので、安定して働けるようになります。

佐々木
得意不得意の「適性」と「環境」の相性は重要です。例えば、ライオンは、木の上で活躍できないですからね。サルと違って。

③組織でのコミュニケーション能力が上がる

就労移行支援のメリット3つ目は、会社組織で働くためのコミュニケーション能力、経験値が向上するということです。一般企業で働く上で欠かせません。

補足|コミュニケーション能力とは

コミュニケーション能力とは、前提と価値観が異なる他人と、正しく認識を揃え、意見を出し合い、より合理的な意思決定を促す力のことです。

少なくとも『初めましてのヒトと距離を詰めて馴れ合う力』や『魅力的な話で場を盛り上げるトーク力』ではないので注意してください。

就労移行支援に通えば、他の利用者とのグループワークを通じて、段階的にレベルを上げていくことができます。もちろん理論として体系的に学ぶこともできますが、実践しないと上達はしません。

また、SSTも一通りおこなうので、感情コントロールができるようになったり、人付き合いでのストレスが減ったりする効果にも期待できますね。

通ったおかげで今の就職があります
それに、SSTも一通りするので感情コントロールも出来るようになりました

引用元:Twitter

佐々木
ビジネスコミュニケーション能力は、どなたでも訓練すれば最低限のレベルまでは成長します。発達障害(ASD)でも安心してください。

④就職や、就職後の定着を支援してもらえる

就労移行支援にしばらく通い、就職準備が整えば「就職活動の支援」や「就職したあとの定着支援」をしてもらえることも大きなメリットです。

具体的には下記の通り。

就職準備が整った後の支援
  1. 就職活動の支援
    • 障害者枠求人の紹介
    • 企業に推薦状を書いてくれる
    • 書類添削や面接練習など
  2. 就職した後の定着支援
    • 事業所スタッフに相談可能
    • 悩みがあればすぐ連携してくれる

就労移行支援にとっては『就職後に長続きして定着すること』が重要になるので、障害特性を踏まえた慎重なサポートをしてくれますね。

佐々木
就労移行支援に継続的に通った実績をもとに、企業に推薦状を書いてくれるので、特例子会社などの人気企業にも入りやすい傾向があります。

⑤職業スキルが身に付く(事業所による)

メリット5つ目は、職業スキルを身につけられるプログラムを受講できることです。具体的な内容は、事業所によって様々で、例えば、以下のようなものがあります。

職業スキルの例
  • レジ操作や接客
  • 作業系、伝統工芸など
  • 事務スキル(MOS系資格)
  • プログラミングやデザイン
  • データサイエンス/IT/機械学習

このように、幅広いコースが学べる講座が用意されているので、興味のある職業スキルがあれば、ぜひチェックしてみてください。

ただ、スキルを学んだからといって必ず就職できるわけではない、ということには注意が必要です。

佐々木
実際、障害者雇用枠を探すと、事務職や管理部門が中心です。まだ職種未経験からプログラマーやデザイナーとして採用されることは少ないですね。

⑥自分が働く姿を、前向きに捉えられる

メリット6つ目は、自分が会社で働く未来の姿を、前向きに捉えられるようになることです。気持ちの問題ですね。

実際、就労移行支援を利用していた方へのアンケートでも、以下のような口コミがありました。

匿名口コミ

自分は他の人とは違うので、社会に出るのが怖かったんです。就労移行支援に通うようになってから、そういった自分の不安をスタッフさんが丁寧に聞いてくれて、自分に合った職場環境を一緒に考えてくれました。

匿名口コミ

具体的な仕事のスキルだけでなく、職場でのコミュニケーション方法や、ストレスの対処法なども教えてもらえました。こうした経験が今の職場で大いに役立っています。一人では解決できなかった問題も、事業所のスタッフと一緒になって考えることで、自分に合った解決策を見つけることができました。

このように、就労移行支援は、働く上での「不安」や「課題点」を、少しずつ一緒に解決してくれる場所です。無理なく成功体験を積み上げることができるので、自信につながります。

佐々木
最初はうまく働ける自信がなかったとしても、最終的には活躍できている方が多いので、ぜひ活用してみてくださいね。

⑦障害に理解のある友人、仲間ができるかも

最後のメリットは、障害に理解のある友人や仲間ができるかもしれないということです。

それこそ最大2年間、毎日のように通所するので、支援員さんや利用者と仲良くなるケースが多いですね。グループワークもするので。

仲良くなりやすい心理学的な背景
  • 単純接触効果
    毎日顔を合わせるので、自然と親近感が湧きます
  • 類似性の原理
    似た境遇の人には、自然と惹かれますよね。マイノリティ同士、お互いが稀有な存在です
  • 自己開示の返報性
    深い話を開示することで、お互いに開示しやすくなります。本音で話しやすいということですね
  • 認知的不協和
    「仲良い人」にしか話せないことを話すので、「仲良い人」になりたくなります

本来は、あくまで就職するための訓練なので、友達を作りに行くのは目的から逸れていますが、良き友は人生が豊かにするので、メリットとも言えるでしょう。

佐々木
支援員さんも含め、対人関係でクセのある方もいるので、必ずしも良い出会いだけとは限りませんけどね。

ここまでのまとめ

ここまで紹介してきた就労移行支援に通うメリットを再掲すると、下記の通りです。

【再掲】就労移行支援のメリット
  1. 体調、生活のリズムが安定する
  2. 障害への理解が深まり、管理しやすくなる
  3. 組織でのコミュニケーション能力が上がる
  4. 就職や、就職後の定着を支援してもらえる
  5. 職業スキルが身に付く(事業所による)
  6. 自分が働く姿を、前向きに捉えられる
  7. 障害に理解のある友人、仲間ができる

次はデメリットや注意点について解説していきます。

就労移行支援を利用するデメリット・注意点

就労移行支援は、国からの補助金で運営される障害福祉サービスだけあって、基本的にはメリットだけですが、一部、注意点もあるので解説していきます

では順番に解説していきます。

①時間が拘束され、収入がない状態が続く

基本的に、就労移行支援事業所に通所中は、アルバイトやパートで働くことができません。働けるなら、通う必要がないことになるので。

そのため、親族の扶養に入るか、あるいは「障害年金」や「生活保護」といった支援金制度を活用して、収入がない状態に耐えられる状況を作りましょう

▼支援金制度一覧
右にスクロール可能です→
支援金性質対象毎月の支給金額期間上限
傷病手当金もらう①病気やケガで会社を休職していた
②かつ、休職期間に一定の収入がない
手取り額相当
※過去12ヶ月平均
1年半
失業保険もらう①失業しており収入がない
└1年以上働いてから、自己都合退職
└または6ヶ月以上働いて、会社都合退職
②かつ就労意欲がある(ハロワに毎月申請)
約6~21万円
※退職前6ヶ月の給与次第
自己都合:3ヶ月
会内都合:6ヶ月
障害年金もらう①初診日が特定できる
②かつ保険料の納付要件を満たす
└納付要件:年金未納がないこと等
③かつ障害認定日に、障害認定基準に該当する
└障害認定日:初診日から1年半後
└障害認定基準:受給できる基準
④かつ昨年の年収が約460万円以下
約5~20万円
※等級や子どもの数次第
※年収が高いと減額
なし
生活保護もらう①世帯年収が13万円以下
②かつ親族からの援助が不可能である
③かつ売却可能な資産を保有していない
④かつ働くことができない
約10~25万円
※扶養家族の人数次第
なし
住居確保給付金もらう①離職から2年以内
②かつ世帯年収と預貯金が、一定の金額以下
③かつ就労意欲がある(ハロワに毎月申請)
約5~7万円
※家賃と扶養家族次第
9か月
生活福祉資金貸付制度借りる①低所得である(例:独身で年収360万円以下)
②かつ日常生活で金銭的な困難を抱えている
約15~20万円
※借りられる金額
12か月

※2023年6月更新

休職中なら「傷病手当金」を。失業したなら「失業保険」を。そして、いずれにせよ「障害年金」の申請は試みてください。どうすればか困ったら全国の自治体にある『生活困窮者を対象にした相談窓口』に行けば、あなたの状況に合わせた制度を紹介してもらえます。

②長期間、事業所に通い続ける必要がある

デメリット2つ目は、一定期間は、事業所に通い続ける必要があるということです。いつでも辞められますが、就労準備には少なくとも2~3ヶ月はかかります。就職活動まで含めると、1年間くらい通う方が多いですね。

もし、すぐに働ける体調なら、転職エージェントの方がスピード感があるのでお勧めです。どんどん求人を紹介してもらえるので、早ければ1ヶ月で就職できます。

佐々木
もちろん、預貯金状況を鑑みて『早めに就職したい』という方は、その旨を支援員に伝えれば、希望に沿った計画を立ててもらえるので安心してください。

③原則、交通費や食費代は自己負担となる

3つ目のデメリットとして、ほとんどのケースで、就労移行支援に通所する際の「交通費」や「食費代」は自己負担となることです。

ただ、一部の事業所では、お弁当が支給されるケースがあります。交通費は自己負担になるので、障害者手帳での割引を活用しましょう。

障害者手帳の交通費割引
  • 電車(50%割引)
  • タクシー(10%割引)

先述した通り、就労移行支援に通所中は「収入がなくなる」ので、自己負担があるのは痛手と言えるでしょう。

④世帯収入によっては、利用料金がかかる

ほとんどの方は自己負担なし(0円)で利用している就労移行支援ですが、昨年に『一定の世帯年収(約300万円)』があると利用料金がかかります。

利用料金
  • 年収300万円未満:0円/月
  • 年収300万円以上:最大9,300円/月
  • 年収600万円以上:最大37,200円/月

仮に料金が発生したとしても、1日あたり500~1,200円と、心配するほど高額ではありません。具体的な金額は事業所ごとで異なるので、確認してみてください。

【表】世帯年収に応じた負担額の上限
世帯年収の目安負担額の上限
生活保護生活保護受給世帯
(~約156万円)
0円
低所得市町村民税非課税世帯
(約156~約300万円)
0円
一般1約300~約600万円9,300円/月
一般2約600万円以上37,200円/月

出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」

佐々木
どんなに世帯年収が高くても、月額37,200円以上を負担することはないので、安心してください。

ここまでのまとめ

ここまで紹介してきた就労移行支援のデメリットや注意点を再掲すると、下記の通りです。

【再掲】就労移行支援の“デメリット”
  1. 時間が拘束され、収入がない状態が続く
  2. 長期間、事業所に通い続ける必要がある
  3. 原則、交通費や食費代は自己負担となる
  4. 世帯収入によっては、利用料金がかかる
佐々木
次の章では、ここまでご紹介してきたメリットデメリットをもとに、向いている人向いていない人を整理していきますね!

就労移行支援が向いている・向いていない人

ここでは、就労移行支援を利用すべきか悩んでいる方のために、使うべき人と、向いていない人の特徴を解説していきます。

向いている/向いていない
  • 就労移行支援が向いている人
    1. 今すぐの就職に自信がない
    2. 障害特性や配慮事項が明確でない
    3. 職業訓練でスキルアップしたい
    4. 就職活動に苦戦している
  • 就労移行支援に向いていない人
    1. 体調が回復していない、安定していない
    2. すぐにでも働ける就職準備ができている
    3. 専門的なスキルを身に付けたいだけ
    4. 就職先の紹介をしてもらいたいだけ
    5. 数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない

まずは向いている人の特徴から順番に解説していきますね。悩んでいる方はぜひヒントにしてください。

就労移行支援が向いている人

ここでは就労移行支援が向いている人の特徴について解説していきます。具体的には下記の通りです。

就労移行支援が向いている人の特徴
  1. 今すぐ就職することに自信が持てない
  2. 障害特性や配慮事項が明確にできていない
  3. 職業訓練を受けてスキルアップしたい
  4. 自分で就職活動をするも苦戦している

上記に当てはまらない場合は、就労移行支援ではなく転職エージェントにしましょう。どちらにすべきか悩んだ場合は、どちらも取り扱っているLITALICO仕事ナビに相談してみてください。

佐々木
では、就労移行支援が向いている人の特徴について、それぞれ詳しく説明していきますね。

①今すぐ就職することに自信が持てない

就労移行支援の利用を第一におすすめできるのは、一般就労を目指しているものの、体調や精神的な状況を踏まえて、今すぐのフルタイム勤務には自信がないという方です。

  • 週4~5勤務は自信がない
  • 1日8時間働くのは厳しいかも…

このような場合でも、就労移行支援施設では、少しずつストレス負荷を上げてリハビリすることができるので、段階的に慣らしていくことができます。

佐々木
いきなり仕事に復帰すると負担がかかってしまうので、今の段階でどれくらいのストレスまで耐えられるのかを明らかにしつつ、自分なりのスピードで少しずつ進んでいきましょう!

また、うつ病等で職歴に長いブランク期間があるような場合には、一度、就労移行支援を利用することで、問題なく継続就労できることを就職先企業に示す効果もあります。

佐々木
特にブランクが数年あると採用企業も慎重になります。当然、転職エージェントからも相手にされにくくなるので、就職活動をする前に就労移行支援で慣らしておくと良いですよ!

②障害特性や配慮事項が明確にできていない

次に、障害特性や配慮事項を自身で明確にすることが難しいといった場合にも、就労移行支援の利用をおすすめできます。

なぜなら、障害者雇用で働くときに重要なのは「自身の障害特性と、企業の業務内容がマッチしていること」なので、自身で言語化しておく必要があるからです。

例:障害特性と配慮事項
  • 障害名
    • ASD(発達障害)
  • 障害特性
    1. 短納期の作業でケアレスミスが起きやすい
    2. マルチタスクが苦手
    3. 過集中による疲労
  • 自己対処
    1. 納品前に確認時間を設ける
    2. 作業開始前に優先順位と所要時間を決める
    3. ポモドーロテクニック(25分作業+5分休憩)
  • 配慮事項
    1. 時間や休憩への配慮
      • 残業なし
      • 週30時間以内(1日6時間)
      • 月に1度通院のための休暇
      • 休暇や勤務中の休憩を取得しやすく
    2. 業務のわかりやすい指示
      • 作業手順はマニュアル化
      • 作業完了時間の目安を共有
      • フィードバックは文章でおこなう
      • 業務を手助けしてくれる担当を用意

上記は一例ですが、ストレスを減らしながら、能力を発揮できる仕事ができるようにするためにも、障害特性と配慮事項を明確にしていきましょう。就労移行支援なら、一緒に調べながら検討してくれるので、自身だけでの言語化に自信がない方はぜひ利用してみてください。

③職業訓練を受けてスキルアップしたい

就労移行支援では、資格取得やスキル向上のためのプログラムを無料で受けることができるので、就職前にスキルを身につけたい方にもおすすめです。

下記のように、職業訓練の幅は広く、事業所によってさまざまなので、自分が習得したいスキルにあった事業所を選ぶようにしましょう

就労移行支援の職業訓練(例)
  • 基礎スキル講座
    • 報連相
    • コミュニケーションスキル
  • 専門スキル講座
    • 事務、PCスキル
    • デザイン、プログラミングなど
    • レジ打ち、梱包等の軽作業など
    • ネイル、美容系

近年、ITスキルが流行っているので補足ですが、就労移行支援事業所で学習をしたとしても、職業未経験からエンジニアやデザイナーとして就職するのは難しい点にだけは注意が必要です。

実際、デザイナーやエンジニアを未経験から雇う会社は限りなく少ない(特に精神障害があると、育成コストや離職リスクが高く…)ので、就職を急ぐなら避けましょう。もし、好奇心でプログラミングやWEB制作を学習したいだけなら、progateudemyをのぞいてみてください。

佐々木
そもそも障害者雇用の場合、そこまで高度なスキルは求められません。どちらかといえば、職場に馴染めるか、継続勤務できるかのほうが重要なので、スキルを学びたいだけなら就労移行支援事業所へ通う“必要性”はないですね。

④自分で就職活動するも苦戦してしまっている

現在、職には就いていない状態で、就職活動を続けているものの上手く行かない場合であれば、就労移行支援サービスの利用をおすすめします。

おそらく就職活動が上手くいっていない理由には、下記のような原因が考えられますが、就労移行支援事業所を利用すれば、解決できるかもしれません。

  • 障害への自己理解ができていない
  • 自分に合う企業や職業を理解していない
  • コミュニケーションが上手く取れていない
  • 基礎/専門スキルが不足している

なにより、ずっと一人で就職活動をしていると気が滅入ってしまいます。定期的に事業所へ通いつつ、並行して就職活動をおこなうこともできるので、ぜひ検討してみてくださいね。

就労移行支援は向いていない人

ここでは就労移行支援は向いていない人の特徴について解説していきます。具体的には下記の通りです。

上記のどれか1つにでも該当している方は、就労移行支援が向いていません。他サービスを検討しましょう。簡単に説明していきます。

①体調が回復していない、安定していない

精神面含めた体調がまだ完全に回復しておらず、安定して通所し続けることができないのであれば、まだ就労移行支援を利用する段階ではないかもしれません。

なぜならば、最低でも週3日は通所できないと、スキルが身につかず、結果が出ないからです。就労移行支援には“2年間の利用期限”があるので、もったいないですね。

そのため、体調や生活のリズムに問題があって、週1~2日しか通えないようであれば『リワークデイケア』や『自立訓練』を利用しましょう。

リワークデイケアとは、大学病院やメンタルクリニックといった『精神科の医療機関』によって実施される、復職及び再休職予防のための復職支援プログラムです。

具体的なプログラム内容は、リワーク施設ごとにやや異なっていますが、概ね下記のような流れで、復職を目指していくことが多いですね。

リワークの内容例
  1. 生活リズムを整え、習慣的に身体を動かす
  2. プログラムで気づきを得る
  3. スタッフと課題を共有して計画を練る
  4. 再発防止のための方法を検討する
  5. 復職に向けて会社と面談する

自立訓練とは、障害のある方の“自立”を目的に、生活能力の維持・向上を目指していく障害福祉サービスのことです。身体障害がある方には『機能訓練(リハビリ)』をおこない、精神障害がある方には『生活訓練』をおこなっています。

この『生活訓練』には、例えば、身だしなみや金銭管理といったものから、ストレス対処や生活リズムの安定化など、施設によって様々なプログラムが用意されています。

生活訓練のプログラム例
  • 生活系プログラム
    • 金銭管理
    • 身だしなみ
    • 食事、洗濯、掃除など
    • 地域生活のマナー など
  • 体調管理系プログラム
    • ストレス対処
    • 生活リズムの整え方
    • アンガーマネジメント
  • レクリエーション系プログラム
    • グループミーティング
    • 音楽、調理
    • 行事、イベント、ゲーム等

普段通っているクリニックで実施しているリワークプログラムがあれば、そこに通うのがベストです。あなたの障害には理解があるはずなので。

いずれとも福祉サービスなので、昨年の年収が300万円以下だと無料。それ以上でも9,300~37,200円で利用できます。

世帯年収ごとの利用料金
  • 約300万円未満:0円/月
  • 約300万円〜:9,300円/月
  • 約600万円〜:37,200円/月

就労移行支援は“一般就労”をゴールとした訓練をおこないますが、リワークデイケアや自立訓練では“自立”をゴールとした訓練をおこなうので、今の状況に応じて使いわけるようにしましょう。

②すぐにでも働ける就職準備ができている

そもそも就労移行支援は『一般就労で働くために訓練が必要な方』向けのサービスです。すでに就職準備ができているなら、利用する意味がありません

就職の準備ができている人
  • 就労する意欲が高い
  • 生活のリズムが整っている
  • 障害への自己理解と管理が十分ある
  • 集団コミュニケーションも苦にならない
  • 障害者枠で就職できる職業スキルがある

上記全てに該当している場合だと、通っても時間の無駄になってしまいます。おそらくほとんど得られるものはありません。

キャリアの空白は少ないほうが良いので、すぐにでも就職できるくらいに準備が整っているなら転職エージェントを利用してください。

③専門的なスキルを身に付けたいだけ

専門スキルを学ぶためだけに行くのは推奨しません。なぜなら、そもそもが働けない方向けの訓練施設であり、専門的スキルを学ぶなら他サービスの方が効率が良いからです。

例えば、プログラミングなら「ドットインストール」や「CODEPREP」や「Progate」など、無料〜格安で学習できるWEBサービスは山ほどあります。

何より、就労移行支援にあるe-learning(動画学習)では、最低限しか習得できません。そもそも自習スタイルで、支援員も理解していないので、質問することはできないと思ってください

佐々木
スキルを得たいだけなら、専門サービスを利用した方がずっと効率が良いです。また書籍を買うなり、Youtube等で公開される内容を見てください。

④就職先の紹介をしてもらいたいだけ

また、就職先の紹介をしてもらいたいだけの方にもお勧めしません。なぜなら、提携している就職先が少ないからです。転職エージェントには勝てません。

繰り返しになりますが、就労移行支援は「障害によって、生活リズムが崩れていたり、就職の準備ができていない人のためのリハビリ施設」です。

就職したいなら、求人紹介と就職支援を専門としている「転職エージェント」には及びません。

おすすめ転職エージェント
  1. LITALICO仕事ナビ|全国求人数最多
  2. dodaチャレンジ|大手や上場企業なら
  3. atGP|スカウト機能あり

⑤数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない

また、数ヶ月通所しても「一般企業での就労意欲が湧かない」「無理だ」と感じた方は、就労移行支援ではなく、就労継続支援をお勧めします。

就労継続支援は、就労移行支援と同じく『障害者を対象とした福祉施設』ですが、一般企業で働くことができない障害者の方が、無理なく働いて給料や工賃を受け取ることができることが特徴です。

就労移行支援と継続支援の特徴
  • 就労移行支援
    一般企業への就職を目指す訓練施設
  • 就労継続支援
    一般企業で働けない方が働く施設
    給料や工賃がもらえる

就労継続支援とは、民間企業等で働くことが困難な場合に、障害や体調にあわせて無理なく、就労訓練や仕事をすることができる福祉サービスで、2種類あります。

就労継続支援の種類
  1. A型事業所
    雇用契約を結び、最低賃金以上の給与がある
    例:データ入力、飲食店ホール、パッキング等
  2. B型事業所
    雇用契約は結ばず、軽作業の就労訓練をする
    例:刺繍、部品加工、農作業、クリーニング等

簡単に違いを整理しました。

A型事業所B型事業所
雇用契約結ぶ結ばない
報酬最低賃金以上の給与進捗に応じた工賃がある
平均金額
(2021年)
月給81,645円
(時給だと926円)
月給16,507円
(時給だと233円)
職種の例データ入力、飲食店ホール
、パッキング等
刺繍、部品加工、
農作業、クリーニング等

出典:厚生労働省 「障害者の就労支援対策の状況」2021

実際の訓練および職業内容は、事業所によって異なるので確認してみてくださいね。

誰しも、就労移行支援に「通いたての状態」だと、過去の失敗経験や出来ないストレスから「一般企業で働きたくない!」と感じる瞬間はあります。

ただ、数ヶ月通って訓練を受けても、その感情が変わらないのであれば『一般企業で働くことを目指す』ことを考え直した方が良いかもしれません

佐々木
親や支援員の期待は気にしないでください。あなた自身が無理のない範囲で、少しずつできることをこなすことが大事です。

ここまでのまとめ

ここまで紹介してきた向いている向いていないの特徴を再掲すると、下記の通りです。

【再掲】向いている/向いていない
  • 就労移行支援が向いている人
    1. 今すぐの就職に自信がない
    2. 障害特性や配慮事項が明確でない
    3. 職業訓練でスキルアップしたい
    4. 就職活動に苦戦している
  • 就労移行支援に向いていない人
    1. 体調が回復していない、安定していない
    2. すぐにでも働ける就職準備ができている
    3. 専門的なスキルを身に付けたいだけ
    4. 就職先の紹介をしてもらいたいだけ
    5. 数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない

また、就労移行支援に通っている間は、収入がなくなってしまうので、親の扶養に入るか、仕送りをしてもらうか、各種支援金を受給するようにしてください

▼支援金制度一覧
右にスクロール可能です→
支援金性質対象毎月の支給金額期間上限
傷病手当金もらう①病気やケガで会社を休職していた
②かつ、休職期間に一定の収入がない
手取り額相当
※過去12ヶ月平均
1年半
失業保険もらう①失業しており収入がない
└1年以上働いてから、自己都合退職
└または6ヶ月以上働いて、会社都合退職
②かつ就労意欲がある(ハロワに毎月申請)
約6~21万円
※退職前6ヶ月の給与次第
自己都合:3ヶ月
会内都合:6ヶ月
障害年金もらう①初診日が特定できる
②かつ保険料の納付要件を満たす
└納付要件:年金未納がないこと等
③かつ障害認定日に、障害認定基準に該当する
└障害認定日:初診日から1年半後
└障害認定基準:受給できる基準
④かつ昨年の年収が約460万円以下
約5~20万円
※等級や子どもの数次第
※年収が高いと減額
なし
生活保護もらう①世帯年収が13万円以下
②かつ親族からの援助が不可能である
③かつ売却可能な資産を保有していない
④かつ働くことができない
約10~25万円
※扶養家族の人数次第
なし
住居確保給付金もらう①離職から2年以内
②かつ世帯年収と預貯金が、一定の金額以下
③かつ就労意欲がある(ハロワに毎月申請)
約5~7万円
※家賃と扶養家族次第
9か月
生活福祉資金貸付制度借りる①低所得である(例:独身で年収360万円以下)
②かつ日常生活で金銭的な困難を抱えている
約15~20万円
※借りられる金額
12か月

※2023年6月更新

休職中なら「傷病手当金」を。失業したなら「失業保険」を。そして、いずれにせよ「障害年金」の申請は試みてください。どうすればか困ったら全国の自治体にある『生活困窮者を対象にした相談窓口』に行けば、あなたの状況に合わせた制度を紹介してもらえます。

就労移行支援事業所の選び方

就労移行支援事業所を選ぶときは、まず事業所の情報を集め、実際に見学しながら、以下の3基準で比較して決めるようにしてください。

就労移行支援事業所の選び方
  1. プログラムが自分に合っているか
  2. 事業所の就職実績が優れているか
  3. 事業所の雰囲気が自分に合いそうか

それぞれ簡単に解説していきます。

①プログラムが自分に合っているか

次に、プログラムが自分に合っているかを確認するようにしましょう。なぜなら、就労移行支援では「なにを指導すべき」という具体的なルールが存在していないので、事業所によって内容や質がバラバラだからです。

プログラム項目としては下記リストが一般的ですが、どこに力を入れているか、どういった障害や職種を取り扱っているのかを比較するようにしてください。

就労移行支援事業所のプログラム一覧
  1. 就労準備
    • 生活のリズムや体調管理
    • 障害への自己理解を深める(重要!!
  2. スキルアップ講座
    • 基礎スキル(コミュニケーション等)
    • 専門スキル(職業ごとの実践的訓練)
  3. 就職活動の支援
    • 書類作成や面接練習
    • 障がい者向け求人の紹介

事業所によって、①で得意としている障害や、②で取り扱っている職種が異なるので、確認するようにしてください。(例えば、発達障害専門であったり、美容や小売系職種を専門としていたり。)

なお、近年だとプログラミングやデザインといったITスキルを学習できる事業所が流行っていますが、動画学習した程度の職種未経験者を雇う企業は少ないので注意が必要です。

佐々木
もちろんスキルも重要ですが「障害への自己理解を深めること」が一番重要です。初回面談で、事例を確認したり、いくつかアドバイスをもらったりして、信頼に足る事業所であるかを見極めましょう。

②事業所の就職実績が優れているか

次に、通所する事業所の実績を見て選ぶことも重要です。なぜなら、就労移行支援事業所は大小様々で全国3,000以上あり、当たり外れが大きいからです。

厚生労働省が公開している最新情報(令和2年)によると、就労移行支援を行う事業所が全部で3,019拠点あるうち、就職率が5割を超えているのは23%しかありません

出典:厚生労働省(令和2年)

さらに、就職率がない(0%)の事業所がなんと16%も存在します。特に、個人経営や小規模な事業者ほど注意が必要です。悩んだら大手にしてください。

「就職率」「定着率」「就職実績」の違い

多くの就労移行支援事業所では、「就職実績」を「就職率」と「定着率」をわけて表示していることが多いので、混合しないように注意してくださいね。

  • 就職率(就職者数÷利用者数)
  • 定着率(就職後の定着者数÷就職者数)

この2つを掛け算したものが「就職実績」です。要は「利用した人のうち、何名が就職後に定着したか」を表しているものですね。

※定着者数は、就職から6ヶ月後以上継続した人数

また、もし就職実績が確認できない事業所だった場合は、代わりに下記の実績を確認すると良いでしょう。

  • 運営団体に実績があるか
  • どういった企業と提携しているか
  • 障害者雇用の支援実績
佐々木
基本的に大手であれば一定のサポート水準は期待できますが、小規模事業所は当たり外れが大きいので注意してくださいね。それこそ、提携している企業数が少なく、就職実績もない、なんてことがあるので。

③事業所の雰囲気が自分に合いそうか

また、事業所の雰囲気が自分に合っているかも確認するようにしましょう。週に何度も通所することになるので、合わないとストレスになります。

事業所見学で確認したいポイント
  • 事業所の雰囲気(机などの配置)
    • 例:個別ブースで黙々作業するタイプか
    • 例:オープンで和気藹々としたタイプか
  • スタッフさんの雰囲気
    • 指導内容が的確か、経験豊富か
    • 親身にサポートしてくれるか否か
    • 上から目線で偉そうな態度をしないか

就労移行支援事業所は、たいていどこも無料で見学や体験をすることができます。少なくとも2つ以上は確認し、比較してから判断したいですね。

佐々木
余談ですが、自宅から通いやすいところにあるかも確認しておくと良いですね。やはり遠いと、どうしてもモチベーションが下がってしまうので。

ここまでのまとめ

ここまでご紹介したきた「就労移行支援事業所の選び方」を再掲すると下記の通りです。どれも重要な比較ポイントですね。

就労移行支援事業所の選び方
  1. プログラムが自分に合っているか
  2. 事業所の就職実績が優れているか
  3. 事業所の雰囲気が自分に合いそうか
佐々木
これらを基準に、最低でも2つの事業所は見学して決めるようにしてくださいね!

就労移行支援サービスおすすめ

ここではおすすめの就労移行支援事業所サービスを紹介していきます。下記の軸で比較して表に整理しました。

就労移行支援サービスの比較ポイント
  1. プログラム(障害や職種)
  2. 紹介される求人の質や量
  3. 就労移行支援の実績(就職率&継続率)

まずは概要まとめ表とTOP10の特徴を解説していきます。(詳細な比較表や調査方法はこちら

右にスクロール可能です→

就労移行支援就職者数実績対象地域
サービス名おすすめ度対応障害特徴累計昨年事業所数就職率定着率対象エリア北海道/東北北関東首都圏北信越東海関西圏中国/四国九州/沖縄
welbe(ウェルビー)★★★★★
5/5
全般定着率が91.3%と高い
東証PRM上場企業が運営
5,955
923
99
拠点
-91.3%全国展開札幌,仙台,郡山群馬,栃木東京,神奈川,埼玉,千葉新潟,富山,石川,長野愛知,静岡大阪,京都,兵庫,三重,滋賀,奈良,和歌山岡山,広島,香川,愛媛福岡,熊本,長崎,鹿児島
LITALICOワークス★★★★★
5/5
全般拠点数と年間就職数No.1
職種や講座のバランス良い
13,801
1,712
120
拠点
-89.2%全国展開札幌,仙台群馬,栃木東京,神奈川,埼玉,千葉-愛知,静岡大阪,京都,兵庫岡山,広島福岡,宮崎,沖縄
ココルポート★★★★☆
4/5
全般都心に集中展開
プログラムは全555種類
2,971
637
66
拠点
-88.2%都心のみ--東京,神奈川,埼玉,千葉-愛知大阪,兵庫-福岡
ミラトレ★★★★★
5/5
全般大手企業の事務職多め
人材大手のパーソル運営
--15
拠点
85%90%都心のみ--東京,神奈川,埼玉,千葉-愛知大阪,兵庫--
atGPジョブトレ★★★★★
5/5
全般ほぼ事務職,IT関連
5つの障害別コースあり
-144
6
拠点
-91.4%首都圏+大阪--東京,神奈川--大阪--
アビリティーズジャスコ★★★☆☆
3/5
全般小売系職種がメイン
販売,警備,清掃系が多い
-95
11
拠点
-90.5%首都圏+東北宮城,福島,秋田-東京,神奈川,千葉-----
manaby(マナビー)★★★☆☆
3/5
全般ITスキルを動画学習できる
支援内容は一般的なもの
--27
拠点
-86.5%首都圏+関西+東北宮城,福島茨城東京,神奈川,埼玉,千葉--大阪,兵庫--
アクセスジョブ★★★☆☆
3/5
全般2018スタートから成長
支援内容は一般的なもの
200
110
24
拠点
 90%都心エリア札幌,青森,仙台-東京,神奈川,埼玉,千葉新潟愛知,静岡大阪岡山福岡
ディーキャリア★★★★☆
4/5
発達
のみ
大手で地方にも強い
求人数6,000以上と豊富
--92
拠点
-92.2%全国展開札幌,宮城,福島,秋田,山形,岩手群馬,栃木,茨城東京,神奈川,埼玉,千葉新潟,石川,長野,岐阜静岡大阪,京都,兵庫,三重,滋賀,奈良,和歌山広島,愛媛,島根,山口福岡,宮崎,熊本,大分
kaien★★★★★
5/5
発達
のみ
100以上の職業訓練
事務職,IT関連,技術職
1,700
-18
拠点
80%95%首都圏+大阪--東京,神奈川,埼玉,千葉--大阪--

※2023/5/13更新

迷ったら大手の上位3社をおすすめします。利用者が多い“大手”ほど、プログラムの種類が充実しており、かつ紹介求人の種類も多いからです

それぞれの対応地域をみて「お住まいの地域にあること」を確認し、いくつかの事業所を見学して「雰囲気が合うか」を確かめられるとベストですね。

1.ウェルビー

ウェルビーの特徴
  • 最大手の東証プライム上場企業
  • 全国で100近い事業所を展開
    • 地方にも強い(30の都道府県に展開)
    • 幅広い職種や希望に対応するプランがある
  • 半年後の定着率は91.3%と圧倒的

ウェルビーは、全国30の都道府県に事業所展開する最大手の就労移行支援サービスです。

特に、企業からビジネス上で求められる職務スキルをロールプレイ形式で実践的に習得することができるオフィスワークシミュレーション”が人気。未経験の仕事だったとしても、無理なく少しずつステップアップできるのが魅力です。

大手で幅広い障害や職種を対応しているにも関わらず、定着率は91.3%と高いので、ぜひ一度見学してみてください。

【公式】https://www.welbe.co.jp

また、短期就活に重点を置いた【就活集中コース】も用意しているので、職業訓練や生活リズムを受けつつ、半年以内に仕事を就きたい方にもおすすめです。

ウェルビーの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害全て
事業所数99
就職者数累計5,955人(2022年は923人)
就職率非公開
定着率91.3%
対象地域北海道:札幌
東北:仙台,郡山
関東:群馬,栃木,東京,神奈川,埼玉,千葉
北信越:新潟,富山,石川,長野
東海:愛知,静岡
近畿:大阪,京都,兵庫,三重,滋賀,奈良,和歌山
中国四国:岡山,広島,香川,愛媛
九州:福岡,熊本,長崎,鹿児島
Pマークなし
運営会社ウェルビー株式会社
公式サイトhttps://www.welbe.co.jp/

※2023/5/13更新

ウェルビーの事業所一覧

▼北海道にある事業所
札幌

▼宮城県にある事業所
仙台

▼福島県にある事業所
郡山

▼東京都にある事業所
【23区内】秋葉原/三鷹/北千住/錦糸町/池袋/渋谷/荻窪/蒲田
【23区外】町田/八王子/府中

▼埼玉県にある事業所
大宮/西川口/春日部/草加/川越/朝霞台/新越谷/所沢/空港公園駅前

▼千葉県にある事業所
西船橋/松戸/千葉駅前/浦安

▼神奈川県にある事業所
桜木町/新横浜/本厚木/藤沢/溝の口/上大岡/戸塚/横須賀

▼群馬県にある事業所
高崎駅前

▼栃木県にある事業所
宇都宮

▼新潟県にある事業所
新潟/万代

▼富山県にある事業所
富山

▼石川県にある事業所
金沢

▼長野県にある事業所
松本/長野

▼静岡県にある事業所
静岡/浜松/なゆた浜北

▼愛知県にある事業所
名古屋/千種/金山/東岡崎

▼三重県にある事業所
四日市

▼滋賀県にある事業所
大津

▼京都府にある事業所
四条烏丸

▼大阪府にある事業所
天王寺/梅田/新大阪/淡路

▼兵庫県にある事業所
神戸/三宮/尼崎/姫路

▼奈良県にある事業所
奈良

▼和歌山県にある事業所
和歌山市駅前

▼岡山県にある事業所
岡山駅前

▼広島県にある事業所
広島駅前/横川駅前/福山

▼香川県にある事業所
高松

▼愛媛県にある事業所
松山

▼福岡県にある事業所
天神北/博多/小倉/黒崎/西鉄久留米/小倉

▼長崎県にある事業所
長崎駅前

▼熊本県にある事業所
熊本駅前/水道町/水前寺

▼鹿児島県にある事業所
鹿児島中央センター

2.LITALICOワークス

リタリコワークスの特徴
  • 全国で120箇所に展開する大手
    • 都心部を中心に、地方にも展開している
  • 累計13,801人以上の就職支援実績
    • 2022年は1,921人(圧倒的No.1)
    • 6ヶ月定着率は89.2%
  • 独自の200種以上のプログラムがある
    • 一人ひとりに合わせたスキルを学べる

LITALICOワークスは、就職を目指す障がい者のための就労移行支援事業所です。

2008年のサービス開始から、全国約120ヶ所の事業所で累計13,800名以上の就職サポートを行っており、半年以上の定着率も90%前後と業界内では高水準。

グループ全体で障害者雇用枠の取り扱い件数が多く、さらに高い就職率と定着率が魅力なので、ぜひ一度、見学してみてください。

【公式】https://works.litalico.jp/

ちなみに、全国の就労移行支援事業所をまとめて検索できるLITALICO仕事ナビも運営しているので、余裕があればこちらも登録しておきましょう。

LITALICOワークスの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害全て
事業所数120拠点
就職者数累計13,801人以上
定着率89.2%
対象地域東北:札幌,仙台
関東:群馬,栃木,東京,神奈川,埼玉,千葉
東海:愛知,静岡
近畿:大阪,京都,兵庫
中国:岡山,広島
九州:福岡,宮崎,沖縄
Pマークあり
運営会社株式会社LITALICO
公式サイトhttps://works.litalico.jp

※2023/5/13更新

LITALICOワークスの事業所一覧

▼東京都にある事業所
【23区内】秋葉原/中目黒/新宿三丁目/日暮里/高田馬場/新橋/秋葉原/水道橋/錦糸町/赤羽/五反田/蒲田/大塚/新宿南口
【23区外】府中/八王子/立川/立川北

▼神奈川県にある事業所
【横浜市】横浜西口第2/横浜戸塚第2/新横浜/横浜東口/横浜西口/桜木町/関内/都筑/戸塚
【その他】COMING SOON本厚木/新百合ヶ丘/藤沢/川崎

▼埼玉県にある事業所
川越/大宮西口/和光/南越谷/所沢/大宮/さいたま浦和

▼千葉県にある事業所
京成津田沼/松戸西口中通/千葉中央公園/千葉/船橋/西船橋/柏/松戸

▼群馬県にある事業所
高崎

▼栃木県にある事業所
那須塩原

▼北海道にある事業所
琴似/すすきの/札幌大通東/札幌/札幌大通/新さっぽろ

▼宮城県にある事業所
仙台みやぎの/仙台東口/仙台青葉

▼愛知県にある事業所
【名古屋市】八事/金山伏見通/名古屋栄/大曽根藤が丘/金山新尾頭/名古屋駅南/名古屋駅前/名古屋丸の内/名古屋野並/名古屋金山/名古屋千種
【その他】刈谷/豊橋/尾張一宮

▼静岡県にある事業所
新浜松/静岡第2/静岡/浜松

▼大阪府にある事業所
【大阪市】あべの/新大阪/梅田西/梅田北/梅田/京橋/心斎橋/なんば/天王寺
【その他】枚方第2/堺東/枚方/高槻

▼兵庫県にある事業所
尼崎立花/明石/西宮/三宮/姫路/神戸/尼崎

▼京都府にある事業所
山科醍醐/京都駅南/伏見桃山/四条大宮/烏丸御池/京都駅前/四条河原町

▼岡山県にある事業所
岡山駅南/岡山

▼広島県にある事業所
広島駅南/広島紙屋町/広島横川/広島

▼福岡県にある事業所
中洲川端/北九州/博多/小倉/福岡中央/天神

▼宮崎県にある事業所
高千穂通/宮崎

▼沖縄県にある事業所
沖縄

3.ココルポート

ココルポートの特徴
  • 都心に集中展開※全66事業所
    • 首都圏、名古屋、大阪、兵庫、福岡
  • プログラムは全555種以上と豊富にある
    • 一人ひとりに合わせた「個別支援」を実施
    • 自己学習用にeラーニング(動画講座)あり

ココルポートは、都心エリアを中心に展開している就労移行支援サービスです。創業は2012年とやや後発ながら2021年の就職者数637名(累計2,971名)と勢いがあります。

利用者の6割以上は精神障害を持っている方ですが、就職後の6ヶ月定着率が88.2%と高い傾向にあります。(※特に精神障害のあると続きにくいので高いです。)

また、「交通費・ランチ応援制度」があるので、より少ない負担で利用することができるのが嬉しいポイントです。都心なら事業所がたくさんあるので、ぜひ見学してみてください。

【公式】https://www.cocorport.co.jp/

ちなみに、一般就労を希望しない場合には自立訓練サービス「ココルポート カレッジ」に相談してみてください。就労継続支援(B型/A型)事業所を紹介してもらうことも可能です。

ココルポートの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害全て
事業所数66
就職者数累計2,883人(2021年は637人)
就職率非公開
定着率88.2%
対象地域関東:東京,神奈川,埼玉,千葉
東海:愛知
近畿:大阪,兵庫
九州:福岡
Pマークあり
運営会社株式会社ココルポート
公式サイトhttps://www.cocorport.co.jp/

※2023/5/13更新

ココルポートの事業所一覧

▼東京都にある事業所
町田/目黒/北千住/赤羽/新小岩/三鷹/調布/日暮里/府中/八王子/新板橋/国分寺

▼神奈川県にある事業所
川崎/湘南藤沢/湘南辻堂/本厚木/相模大野/武蔵小杉/横浜/横浜関内/横須賀/平塚/大和/横浜戸塚/長津田

▼千葉県にある事業所
千葉/船橋/柏/津田沼/新松戸/船橋/蘇我/勝田台/流山おおたかの森/新浦安/本八幡

▼埼玉県にある事業所
大宮/川越/武蔵浦和/朝霞台/所沢/南越谷/春日部/北朝霞

▼愛知県にある事業所
名古屋駅前/金山/大曽根/栄

▼大阪府にある事業所
梅田/なんば/京橋/千里中央

▼兵庫県にある事業所
神戸三宮/尼崎

▼福岡県にある事業所
天神駅前/博多

4.ミラトレ

ミラトレの特徴
  • 対象地域は都心部のみ
  • 就職率85%かつ半年定着率90%と高い
    • 特例子会社だからこそのノウハウ
  • 転職支援実績No.1のdodaチャレンジと連携
    • 大手企業の事務職求人が多い傾向

ミラトレは、大手人材会社パーソルグループの特例子会社「パーソルダイバース」が運営している、就労移行支援サービスです。

障害者支援実績No.1の転職エージェントdodaチャレンジと連携しているので、豊富な求人数を保有しており、就職率も85%と高い傾向にあります。

対象地域は都心部(首都圏、大阪兵庫、愛知)に限られますが、多くの方に利用されていて満足度が約9割と高い傾向にあるので、ぜひ見学してみてください。

【公式】https://mirai-training.jp/

ちなみに、データサイエンスやAI・機械学習などの最先端ITを学べるNeuro Diveというプログラムもあるので、興味があればミラトレに登録した後に聞いてみてください。(秋葉原、横浜、梅田、福岡のみ対象)

ミラトレの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害全て
事業所数15
就職率85%
定着率90%
対象地域東京:上野、大井町、三鷹
千葉:新松戸
神奈川:川崎、横浜、関内、藤沢
埼玉:大宮、川口、川越
愛知:名古屋、金山
大阪:梅田
兵庫:尼崎
Pマークあり
運営会社パーソルダイバース株式会社
公式サイトhttps://mirai-training.jp/

※2023/5/13更新

ミラトレの事業所一覧

▼東京都にある事業所
上野/大井町/三鷹

▼神奈川県にある事業所
川崎/横浜/関内/藤沢

▼千葉県にある事業所
新松戸

▼埼玉県にある事業所
大宮/川口/川越

▼愛知県にある事業所
名古屋/金山

▼大阪府にある事業所
梅田

▼兵庫県にある事業所
尼崎

5.atGPジョブトレ

atGPジョブトレの特徴
  • 東京と大阪(梅田)のみ
  • 障害種別に5種類のコース
    • 事務職での就職率が94.5%
  • 就職後の半年継続率は91.4%と高め

atGPジョブトレは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する就労移行支援サービスです。東京都のいくつかの地域と大阪(梅田)で、全5つの障害別コースが用意されています。

atGPは、もともと障害者向けの転職サイトを運営している大手です。求人数が豊富で半年後継続率も91.4%と高いので、ぜひ一度、見学してみてください。

【公式】https://www.atgp.jp/training/

また、教材費等無料でWEBデザインやプログラミングを学べるジョブトレIT/WEBもあるので、興味がある方はぜひ見てみてください。(ちなみにデザイン系は初心者を雇う会社はほぼないので、受けるならプログラミングがおすすめです。)

atGPジョブトレの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害うつ病、統合失調症
発達障害、聴覚障害、難病
対象地域東京:秋葉原、大手町、お茶の水
神奈川:横浜
大阪:梅田
事業所数6
定着率91.4%
Pマークあり
運営会社(株)ゼネラルパートナーズ
公式サイトhttps://www.atgp.jp/training/

※2023/5/13更新

atGPジョブトレの事業所一覧

秋葉原にある事業所

大手町にある事業所

お茶の水にある事業所

横浜にある事業所

梅田にある事業所


6.アビリティーズジャスコ

アビリティーズジャスコの特徴
  • 東北や首都圏エリアに11拠点
  • 小売業の職種(販売/警備/清掃系)中心
  • 特例子会社が運営するので実績豊富
    • 2021年就職者は95名
    • 半年定着率は90.5%と高め

アビリティーズジャスコは、イオングループの特例子会社が運営している就労移行支援サービスです。東北地方と首都圏をメインに展開しています。

イオングループ運営ということもあって、小売関連の職種(販売や事務、警備や清掃等)が多く、訓練項目は店舗関連のものが多い印象です。(下記、例)

  • レジ操作
  • 接客、電話対応
  • 商品荷受け、商品陳列
  • 在庫管理、予約注文
  • 仮想店舗での実習訓練

もちろん他の就労移行支援サービスのように、ビジネスマナーやSSTといった基本訓練や、履歴書や職務経歴書の入力、面接対策もしてくれるので安心です。

【公式】https://www.ajscrum.co.jp/

特に、東北エリアで小売業職種を検討しているならおすすめです。それ以外であれば他サービス(welbeココルポート)のほうが実績が多いので優先度を下げて構いません。

アビリティーズジャスコの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害全て
事業所数11
就職者数2021年:95人
就職率非公開
定着率90.5%
対象地域東北:宮城,福島,秋田
関東:東京,神奈川,千葉
Pマークなし
運営会社アビリティーズジャスコ株式会社
公式サイトhttps://www.ajscrum.co.jp/

※2023/5/13更新

アビリティーズジャスコの事業所一覧

▼東京都にある事業所
武蔵野/立川

▼神奈川県にある事業所
海老名

▼千葉県にある事業所
南行徳/稲毛海岸/木更津

▼秋田県にある事業所
大館

▼福島県にある事業所
鏡石

▼宮城県にある事業所
仙台/名取/古川

7.manaby(マナビー)

manaby(マナビー)の特徴
  • ITスキルをeラーニングで学習可能
    • デザイン/WEB制作
    • プログラミングや事務系スキル
  • 多くの方に利用されている実績あり
    • 利用者数は2,500名以上
    • ただ、就職者数は非公開
      • 就職者の7割以上は事務職
      • 定着率は85.9%とまずまず

manaby(マナビー)は、ITスキル(WEBデザインやプログラミング)をeラーニング(動画教材)によって、自分のペースで学習できる点が魅力の就労移行支援サービスです。

ただ、そもそも障害者雇用枠は事務職がほとんどなので、エンジニアやデザイナーとして就職するのは難しい点に注意が必要です

実際、デザイナーやエンジニアを未経験から雇う会社は限りなく少ない(特に精神障害があると、育成コストや離職リスクが高く...)ので、就職を急ぐなら避けましょう。もし、好奇心でプログラミングやWEB制作を学習したいだけなら、progateudemyを見てみてください。いずれも自宅で学習可能なeラーニングで、コンテンツも充実しています。

そのため、あえて利用をおすすめする就労移行支援サービスではありません。事務職なら他の大手就労移行支援サービスの方が実績豊富なので。

【公式】https://manaby.co.jp/

manaby(マナビー)の基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害全て
事業所数27
就職者数非公開(利用者は2,506名)
就職率非公開
定着率86.5%
対象地域東北:宮城,福島
関東:東京,千葉,埼玉,神奈川,茨城
近畿:大阪,兵庫
Pマークなし
運営会社株式会社manaby
公式サイトhttps://manaby.co.jp/

※2023/5/13更新

manaby(マナビー)の事業所一覧

▼宮城県にある事業所
仙台/長町/泉中央/石巻/古川

▼福島県にある事業所
福島/郡山

▼東京都にある事業所
秋葉原/駒込/府中

▼神奈川県
鶴見/川崎/長者町/関内/相模原/本厚木/新横浜

▼埼玉県にある事業所
大宮

▼千葉県にある事業所
千葉中央/行徳/船橋

▼茨城県にある事業所
土浦

▼大阪府にある事業所
天王寺/梅田/本町

▼兵庫県にある事業所
神戸元町/三宮

8.アクセスジョブ

アクセスジョブの特徴
  • 2018年スタートとやや後発サービス
    • 静岡初で都心エリアをメインに展開
  • 一般的な就労移行支援はしてもらえる
    • 障害特性に合わせた個別プログラム
    • eラーニングによる動画学習
      • 事務スキル、プログラミング等

アクセスジョブは、もともと「学習塾」や「障害児通所事業所」を運営している株式会社クラ・ゼミが、2018年からはじめた就労移行支援サービスです。やや後発ながら、4年間で30校近くまで展開する勢いのあるサービスですね。

基本的には他の就労移行支援サービスと同様で、障害特性に向き合うプログラムと、貸与PCからeラーニングによる動画学習をおこなうことが、メインとなります。また、事業所によっては「昼食」が提供されるとのことなので、興味があれば一度確認してみてください。

【公式】https://www.accessjob.jp/

ただ、サービス内容はごく一般的なものです。大手(welbeココルポート)のほうが実績が多いので、家から近くにない限り、優先度は高くないかもしれません。

アクセスジョブの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害全て
事業所数24
就職者数累計200人(2021年:110人)
就職率非公開
定着率90%
対象地域北海道:札幌
東北:青森,仙台
関東:東京,埼玉,千葉,神奈川
北陸:新潟
東海:愛知,静岡
近畿:大阪
中国:岡山
九州:福岡
Pマークなし
運営会社 株式会社クラ・ゼミ
公式サイトhttps://www.accessjob.jp/

※2023/5/13更新

アクセスジョブの事業所一覧

▼北海道にある事業所
アクセスジョブ札幌北24条校
札幌市北区北23条西5丁目2-41 細川ビル3

▼青森県にある事業所
アクセスジョブ青森校
青森市浜田2丁目13-15

▼宮城県にある事業所
アクセスジョブ仙台
仙台市青葉区本町3-5-21 アーカス本町ビル2F

▼新潟県にある事業所
アクセスジョブ新潟
新潟市中央区東大通2-3-26 プレイス新潟2階A号室

▼東京都にある事業所

アクセスジョブ清澄白河
東京都江東区白河2丁目8番5号 三栄ビル5階

アクセスジョブ八王子
東京都八王子市明神町4丁目7-3 やまとビル2階

▼千葉県にある事業所

千葉市/西船橋/

▼埼玉県にある事業所
浦和/さいたま/熊谷

▼神奈川県にある事業所
川崎/厚木

▼静岡県にある事業所

新静岡駅前

浜松駅前/浜松田町

▼愛知県にある事業所
名古屋駅前/上前津

▼大阪府にある事業所

アクセスジョブ南森町
大阪市北区東天満2丁目5−番16号 古林ビル本館 2階

アクセスジョブ四ツ橋
大阪市西区北堀江2丁目4−11 サンライズビル 3F

▼岡山県にある事業所
アクセスジョブ岡山南中央町
岡山県岡山市北区南中央町12-3

▼福岡県にある事業所
アクセスジョブ福岡高宮
福岡県福岡市南区向野1丁目19-27

9.ディーキャリア※発達障害のみ

ディーキャリアの特徴
  • 発達障害特化
  • 大手の就労移行支援サービス
    • 求人数6,757件と圧倒的
    • 33都道府県で89拠点に展開!
  • 就職実績が豊富!
    • 6ヶ月定着率は92.2%と高い
    • 就職後の平均給与は19.3万円(平均12.7万円)

ディーキャリアは、発達障害専門で全国89拠点に展開する大手就労移行支援サービスです。大きく3つのステップに分けて、個別支援をしてくれます。

  1. ライフスキルコース
    • 自己理解、キャリア設計
    • セルフケア、コミュニケーション等
  2. ワークスキルコース
    • 長所や配慮の言語化(取扱説明書)
    • 職務スキルの習得、模擬業務
  3. リクルートコース
    • 仕事選びや探し方
    • 書類作成や面接練習の支援

ちなみに、基本的なPCスキル(ExcelやPowerPoint等)に不安がある⽅でも、e-learningを中心とした「ワーク準備コース」が用意されているので安心してください。

また、利⽤者限定の求⼈サイト「ディーキャリアジョブ」では、全国6,000件以上の求人を見ることができます。発達障害特化でここまで大手規模のサービスはないので、見学だけでもしてみることをおすすめします。

【公式】https://dd-career.com/

また、サービス業(アパレル/飲食/介護)向けのディーキャリアワークと、エンジニアとして就職するためのディーキャリアITエキスパートという専門コースもあるので、興味があればぜひ見学してみてください。

ディーキャリアの基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害発達障害専門
事業所数92拠点
就職率非公開
定着率92.2%
対象地域北海道:札幌
東北:宮城,福島,秋田,山形,岩手
関東:東京,神奈川,埼玉,千葉,群馬,栃木,茨城
北陸:新潟,石川,長野,岐阜
東海:愛知,静岡
近畿:大阪,京都,兵庫,三重,滋賀,奈良,和歌山
中国/四国:広島,愛媛,島根,山口
九州:福岡,宮崎,熊本,大分
Pマークなし
運営会社デコボコベース株式会社
公式サイトhttps://dd-career.com/

※2023/5/13更新

▼北海道にある事業所
札幌大通/札幌駅

▼岩手県にある事業所
盛岡

▼宮城県にある事業所
仙台駅西口

▼秋田県にある事業所
秋田

▼山形県にある事業所
山形

▼福島県にある事業所
福島/郡山

▼東京都にある事業所
【23区内】秋葉原/芝浦/田町/品川/中野/池袋/西日暮里/平井/江戸川
【23区外】八王子/武蔵野/立川/府中/町田/国立

▼埼玉県にある事業所
大宮/浦和/所沢/春日部/蕨

▼千葉県にある事業所
千葉中央/船橋/松戸/柏

▼神奈川県にある事業所
関内/戸塚/横浜/川崎/横須賀/藤沢/海老名

▼茨城県にある事業所
水戸

▼栃木県にある事業所
宇都宮

▼群馬県にある事業所
高崎

▼新潟県にある事業所
新潟

▼石川県にある事業所
金沢

▼長野県にある事業所
長野/松本

▼岐阜県にある事業所
岐阜駅前

▼静岡県にある事業所
静岡/浜松

▼愛知県にある事業所
名古屋/千種/豊橋

▼京都府にある事業所
京都御池/四条烏丸

▼大阪府にある事業所
京橋/難波/天王寺/梅田/堺/蛍池/高槻/枚方/布施

▼兵庫県にある事業所
神戸三宮

▼奈良県にある事業所
大和西大寺

▼和歌山県にある事業所
和歌山

▼三重県にある事業所
四日市

▼滋賀県にある事業所
草津

▼島根県にある事業所
松江

▼広島県にある事業所
広島

▼山口県にある事業所
新山口駅

▼愛媛県にある事業所
松山

▼福岡県にある事業所
北九州/福岡赤坂/博多/久留米

▼熊本県にある事業所
熊本

▼大分県にある事業所
大分

▼宮崎県にある事業所
宮崎

10.kaien(カイエン)※発達障害のみ

kaien(カイエン)の特徴
  • 発達障害に特化したプログラム
    • 実践的な職業訓練 (100職種〜)
    • 社会スキル・自己理解講座(50講座〜)
  • 就職支援実績が豊富!
    • 200社以上の企業と提携
    • 10年間で2,000人の就職実績
    • 就職率80%で定着率91%と高い
  • 対象エリアは首都圏、大阪のみ

kaien(カイエン)は、発達障害に特化した就労移行支援サービスです。講座数が多いことが特徴で、職種ごとの職業訓練は100以上、社会スキル・自己理解講座は50以上も用意されています。

職種だと下記の3つが代表的ですね。

  • オフィス事務
  • 作業系/伝統工芸
  • IT/デザイン

また、ITスキル(プログライミングやデザイン)に特化したクリエイティブコースも用意されています。他就労移行支援サービスと同じく“eラーニング(動画学習)”が中心とはなりますが、事前に適性を検査してから学習項目を選べるので、無駄にはなりません。

対象地域は首都圏・大阪のみに限定されますが、実績も豊富で、対応プログラムの幅が広いため、通所できる範囲にお住まいの方であれば一度見学してみてください。

【公式】https://www.kaien-lab.com/

また、発達障害の強みを活かせる「職業診断」を受けることができるので、気軽に面談だけでもしてみることをおすすめします。

kaien(カイエン)の基本情報

サービス就労移行支援事業所
対象障害発達障害専門
事業所数18
就職者数1,700人
就職率80%
定着率95%
対象地域首都圏:東京,神奈川,埼玉,千葉
関西圏:大阪
Pマークなし
運営会社株式会社Kaien
公式サイトhttps://www.kaien-lab.com/

※2023/5/13更新

大宮オフィス
さいたま市大宮区仲町3-102-1 リーベンスハイム大宮1階

津田沼オフィス
千葉県船橋市前原西2-12-9 大生ビル4階

よくある質問と回答

最後に、就労移行支援事業所に関してよくある質問をFAQ形式で網羅的に解説していきます。気になる項目があればタップしてみてください。

▼就労移行支援

▼関連する障害福祉サービス

Q. 就労移行支援とは?

就労移行支援とは、民間企業での就職を目指している障害者の方向けに、就労準備やスキルアップ、職探しを手助けしてくれる福祉サービスのことです。

佐々木
言い換えれば、障害のある方が就職するための“学校”のようなものですね!

就労移行支援で受けられるプログラムには、下記のようなものがあります。

就労移行支援事業所のプログラム一覧
  1. 就労準備
    • 生活のリズムや体調管理
    • 障害への自己理解を深める(重要!!
  2. スキルアップ講座
    • 基礎スキル(コミュニケーション等)
    • 専門スキル(職業ごとの実践的訓練)
  3. 就職活動の支援
    • 書類作成や面接練習
    • 障がい者向け求人の紹介
佐々木
就労移行支援には「なにを指導すべき」という具体的なルールが存在しておらず、事業所によって得意としている障害や、訓練できる職種がバラバラなので、詳しく確認することをおすすめしますよ!

Q.就労移行支援のメリットは?

就労移行支援を利用するメリットを一言でいうと「就職しやすくなること」です。具体的には、下記のものがありますね。

メリット
  1. 体調、生活のリズムが安定する
  2. 障害への理解が深まり、管理しやすくなる
  3. 組織でのコミュニケーション能力が上がる
  4. 就職や、就職後の定着を支援してもらえる
  5. 職業スキルが身に付く(事業所による)
  6. 自分が働く姿を、前向きに捉えられる
  7. 障害に理解のある友人、仲間ができる

これらのメリットの大きさは、就職実績(就職率や6ヶ月定着率)で評価することができるので、事業所ごとに見てみてください。

佐々木
また、近年は学べる「職業スキル」(例:プログラミングやデザイン等)で差別化を図る事業所が増えているので、興味のある仕事で選ぶのもありだと思います!

Q.就労移行支援のデメリット・注意点は?

就労移行支援を利用することのデメリット・注意点は下記の通りです。

デメリット・注意点
  1. 時間が拘束され、収入がない状態が続く
  2. 長期間、事業所に通い続ける必要がある
  3. 原則、交通費や食費代は自己負担となる
  4. 世帯収入によっては、利用料金がかかる

世帯年収が一定以上あると利用料金がかかりますが、90%以上の利用者は無料で使っているので安心してください。詳細は下記で解説しています。

Q. 就労移行支援の料金は?

9割以上の方は『自己負担なし(0円)』で利用していますが、昨年に『一定の世帯年収(約300万円)』がある方だと、利用料金が発生します。

概ね、下記のイメージです。

就労移行支援の料金イメージ
  • 料金が発生する方
    • 昨年の世帯年収が300万円以上
  • 無料で利用できる方
    • 生活保護を受けている
    • 昨年の世帯年収が300万円未満

※なお「世帯年収」とは、本人と配偶者が得た収入の合計です。親の扶養に入っていない限り、親の年収は換算されません。

仮に料金が発生したとしても、1日あたり500~1,200円と、心配するほど高額ではありません。具体的な金額は事業所ごとで異なるので、確認してみてください。

【表】世帯年収に応じた負担額の上限

 世帯年収の目安負担額の上限
生活保護生活保護受給世帯
(~約156万円)
0円
低所得市町村民税非課税世帯
(約156~約300万円)
0円
一般1約300~約600万円9,300円/月
一般2約600万円以上37,200円/月

出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」

どんなに世帯年収が高くても、月額37,200円以上を負担することはありません

Q. 就労移行支援の利用条件は?

障害福祉サービス受給資格を取得すれば、最長2年間利用することが可能になります。なお、受給者証は下記3条件を満たしている方が対象になります。

就労移行支援の対象者
  1. 18歳〜65歳未満の方
  2. 障害のある方(障害者手帳または、医師の診断書)
  3. 企業等での就労または開業を希望する方で、就労が可能と見込まれる方
基本的には『訓練を受ければ、就労できるようになる方』向けのサービスなので、定年を超えた65歳以上の方は対象外ですね。

Q. 就労移行支援を利用するまでの流れは?

下記の流れで利用できます。

利用するまでの流れ
  1. お問い合わせ
  2. 無料見学・面談
  3. 無料体験
  4. 利用申請手続き(受給者証発行)
  5. 利用開始(利用できるのは2年間まで)

ちなみに、お問合せから利用開始までは、長くても1~2ヶ月ですね。

Q. 就労移行支援に向いている人は?

下記に該当するのであれば、就労移行支援の利用をおすすめします。

向いている人
  1. 今すぐの就職に自信がない
    • 週4~5勤務は自信がない
    • 1日8時間働くのは厳しい
  2. 障害特性や配慮事項が明確でない
  3. 職業訓練でスキルアップしたい

悩んだら、民間企業や就労移行支援までを幅広く紹介しているエージェント(LITALICOdodaチャレンジatGPなど)に相談してみると良いでしょう。

Q. 就労移行支援に向いていない人は?

下記に該当するのであれば、就労移行支援を使うべきではありません。別のサービスを利用するようにしましょう。

向いていない人
  1. 体調が回復していない、安定していない
    →自立訓練やリワークデイケアを利用しよう
  2. すぐにでも働ける就職準備ができている
    転職エージェントを使おう
  3. 専門的なスキルを身に付けたいだけ
    専門サービスの方がずっと効率的
  4. 就職先の紹介をしてもらいたいだけ
    転職エージェントを使おう
  5. 数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない
    就労継続支援を検討しよう

また、就労移行支援に通っている間は、収入がなくなってしまうので、親の扶養に入るか、仕送りをしてもらうか、各種支援金を受給するようにしてください

▼支援金制度一覧
右にスクロール可能です→
支援金性質対象毎月の支給金額期間上限
傷病手当金もらう①病気やケガで会社を休職していた
②かつ、休職期間に一定の収入がない
手取り額相当
※過去12ヶ月平均
1年半
失業保険もらう①失業しており収入がない
└1年以上働いてから、自己都合退職
└または6ヶ月以上働いて、会社都合退職
②かつ就労意欲がある(ハロワに毎月申請)
約6~21万円
※退職前6ヶ月の給与次第
自己都合:3ヶ月
会内都合:6ヶ月
障害年金もらう①初診日が特定できる
②かつ保険料の納付要件を満たす
└納付要件:年金未納がないこと等
③かつ障害認定日に、障害認定基準に該当する
└障害認定日:初診日から1年半後
└障害認定基準:受給できる基準
④かつ昨年の年収が約460万円以下
約5~20万円
※等級や子どもの数次第
※年収が高いと減額
なし
生活保護もらう①世帯年収が13万円以下
②かつ親族からの援助が不可能である
③かつ売却可能な資産を保有していない
④かつ働くことができない
約10~25万円
※扶養家族の人数次第
なし
住居確保給付金もらう①離職から2年以内
②かつ世帯年収と預貯金が、一定の金額以下
③かつ就労意欲がある(ハロワに毎月申請)
約5~7万円
※家賃と扶養家族次第
9か月
生活福祉資金貸付制度借りる①低所得である(例:独身で年収360万円以下)
②かつ日常生活で金銭的な困難を抱えている
約15~20万円
※借りられる金額
12か月

※2023年6月更新

休職中なら「傷病手当金」を。失業したなら「失業保険」を。そして、いずれにせよ「障害年金」の申請は試みてください。どうすればか困ったら全国の自治体にある『生活困窮者を対象にした相談窓口』に行けば、あなたの状況に合わせた制度を紹介してもらえます。

Q. 就労移行支援事業所の選び方は?

まずは事業所の情報を集め、実際に見学しながら、以下の3基準で比較して決めるようにしてください。

就労移行支援事業所の選び方
  1. プログラムが自分に合っているか
  2. 事業所の就職実績が優れているか
  3. 事業所の雰囲気が自分に合いそうか

事業所によって当たり外れが大きいので注意して選ぶようにしてくださいね。これらを基準に、最低でも2つの事業所は見学できると良いでしょう

Q. 就労移行支援事業所の探し方は?

下記5通りの方法から探すことができます。

就労移行支援事業所の「探し方」
  1. 大手で有名な事業所から優先的に探す
  2. 障害福祉サービスの検索サイトで探す
  3. Googleマップから探す
  4. お住まいの役所窓口に行って相談する
  5. 行きやすい専門機関に行って相談する

まずは「①大手で有名な事業所から優先的に探す」から比較基準を自分の中に作ることをお勧めします。

Q. 就労移行支援と転職エージェントの違いは?

障害者が利用できる就職支援サービスには「就労移行支援」と「転職エージェント」の2種類があります。それぞれの特徴は下記の通りです。

就労移行支援とエージェントの特徴
  • 就労移行支援
    • 就労に向けたトレーニングが中心
    • 就労できる準備が整っていない方向け
    • フルタイム勤務に自信がない方におすすめ
  • 転職エージェント
    • 求人紹介と選考サポートが中心
    • 就労できる準備が整った方向け
    • 障害が軽度の方におすすめ

このように、就労できる自信がない方向けにリハビリをおこなうのが就労移行支援で、就労できる準備が整った方向けに就職支援をするのが転職エージェントです。

詳しいサービス内容の違いを表で整理しました。

 就労移行支援エージェント
説明会や見学会◯あり×なし
体調管理トレーニング◯あり×なし
スキルのトレーニング◯あり×なし
求人紹介◯あり◎多い
書類作成サポート◯あり◎強い
面接練習サポート◯あり◎強い
入社時の条件交渉×なし△会社次第
入社後の職業定着支援◯あり△浅い

このように、就労移行支援は満遍なくサポートを受けることができる一方で、転職エージェントは求人紹介と転職支援に特化していることが大きな違いです。

もちろん併用することが可能なので、自信がない方は、まずは就労移行支援を利用してリハビリしつつ、慣れてきたら転職エージェントも登録して効率的に就職活動をおこなう、といった使い方もできます。

Q. 自立訓練とは?

自立訓練とは、障害のある方の“自立”を目的に、生活能力の維持・向上を目指していく障害福祉サービスのことです。身体障害がある方には『機能訓練(リハビリ)』をおこない、精神障害がある方には『生活訓練』をおこなっています。

この『生活訓練』には、例えば、身だしなみや金銭管理といったものから、ストレス対処や生活リズムの安定化など、施設によって様々なプログラムが用意されています。

生活訓練のプログラム例
  • 生活系プログラム
    • 金銭管理
    • 身だしなみ
    • 食事、洗濯、掃除など
    • 地域生活のマナー など
  • 体調管理系プログラム
    • ストレス対処
    • 生活リズムの整え方
    • アンガーマネジメント
  • レクリエーション系プログラム
    • グループミーティング
    • 音楽、調理
    • 行事、イベント、ゲーム等

お住まいの自治体によっては、在宅訓練を受けることができる場合もあるので「外出することが、体力的にも精神的にも不安」という方にもおすすめです。

Q.リワークデイケアとは?

リワークデイケアとは、大学病院やメンタルクリニックといった『精神科の医療機関』によって実施される、復職及び再休職予防のための復職支援プログラムです。

具体的なプログラム内容は、リワーク施設ごとにやや異なっていますが、概ね下記のような流れで、復職を目指していくことが多いですね。

リワークの内容例
  1. 生活リズムを整え、習慣的に身体を動かす
  2. プログラムで気づきを得る
  3. スタッフと課題を共有して計画を練る
  4. 再発防止のための方法を検討する
  5. 復職に向けて会社と面談する

普段通っているクリニックで実施しているリワークプログラムがあれば、そこに通うのがベストです。あなたの障害には理解があるはずなので。

Q.就労継続支援とは?

就労継続支援とは、民間企業等で働くことが困難な場合に、障害や体調にあわせて無理なく、就労訓練や仕事をすることができる福祉サービスです。

下記の2パターンが存在しています。

就労継続支援の種類
  1. A型事業所
    雇用契約を結び、最低賃金以上の給与がある
    例:データ入力、飲食店ホール、パッキング等
  2. B型事業所
    雇用契約は結ばず、軽作業の就労訓練をする
    例:刺繍、部品加工、農作業、クリーニング等

簡単に違いを整理しました。

 A型事業所B型事業所
雇用契約結ぶ結ばない
報酬最低賃金以上の給与進捗に応じた工賃がある
平均金額
(2021年)
月給81,645円
(時給だと926円)
月給16,507円
(時給だと233円)
職種の例データ入力、飲食店ホール
、パッキング等
刺繍、部品加工、
農作業、クリーニング等

出典:厚生労働省 「障害者の就労支援対策の状況」2021

実際の訓練および職業内容は、事業所によって異なるので確認してみてくださいね。